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◆74歳の蛹その5,未来を担う三人の青年、その2、目には見えない大きなことづて。

昨年の秋、菊池青年は野良仕事を一日休んで山に入り、キノコを取ったそうです。

それは今、先輩達に毒キノコとの選別を教わっていないと、

もうそれを分かるひとがいなくなるから、という理由でした。

同じように君島青年も、生き字引のような地域の古老達から、

口伝での貴重な知識を教わる、という事でした。

私はこういうことがとても大事なのだと思います。

先人たちのいぶし銀のような技術と知恵、その地域に長い歴史を経ながら、

面々と伝えられた様々な生活の知恵と技術は、たとえそれが

一面的においては、利便的、科学的ではなくとも、なにか深いものがあるのだと思います。

さて、昨日も書いたように、

これからはいよいよ「有機合成反応」技術を駆使した窒素時代が始まるでしょう。

それは科学物質による環境汚染を防止し、

人体や生態系への影響を最小限に抑えることを目的にした化学社会になると思います。

さらに人工光合成技術により、CO2と水から有機物を作りだし、

それが食糧にも衣料にも燃料にもなる時代へと驀進していくかもしれません。

らく、そうなっていくと思います。それはそれで良しと思いますが、

化学で全方位囲まれた暮らしになるその一方で、

先人たちの智慧や技術や伝統文化の中にある、言葉や理論にはならない文化と文明とでも言いましょうか、

そういうものが大切で、それが消えてしまう損失の大きさを、

チャンと自覚し、担保することの大事さを心得え、

継承したいと考える青年達がいる、ということが、

本当に嬉しいです。言葉や理屈にならないことを、

身体でもって会得し、じっちゃやばっちゃから、阿吽の呼吸で教わっていく、

そこにはこれまで、自然と共に生きてきた人間の、

こういう風に生き延びるんだという大切なことづてがあるのだと、

私は確信しています。

次回は恐ろしく自然の生命力をもつ稲という作物について書きます。実は、

無肥料無農薬で林檎を栽培する佐々木悦雄さんから

稲は他の食物に比べて、最も無肥料、無農薬に適していると教わりました。

その事を書いておこうと思います。

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田下啓子

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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