Aさんは親の離婚騒動の中で深く傷つき、20代のはじめから
37歳の今になるまで、母親との共依存の中で引きこもりました。
しかしあることから、十数年絶縁していた父親と再会し、
やっと父親に対する疑心暗鬼から抜け出そうとしました。
ところが、Aさんの母親は、彼女と父親との再会に対して、
父親が自分の老後の介護をAさんにさせようと
もくろんでいるのだろう、と言い、
せっかくのその再会に
毒を投げ入れました。
勿論私はそれに対して激怒しましたよ。
なぜなら、Aさんはどういう訳か、
自分に温かい親切や温情をくれた人に対しても、
自分にささやかな愛情を注いでくれたことにも
●鈍感でそれを感じることができず、
また●感謝することもできず、
逆に、それには裏があるのでがないか、という疑いを持つのです。
そういうニヒルな自分に自信をもち、
カッコイイと思い込んでいる節があります。
その原因の一つに
Aさんと母親の共依存生活は常にこういう 濁りが漂う空間であるということ。
さにそれが常態化する生活の中で、
大なり小なりの母親の毒がAさんの無意識に浸透していっていると、
私は思います。
Aさんはもうすぐ40歳になります。
40歳になるとは、自我システムの硬直化が進んでしまう年齢です。
私はなんとかAさんを母親の澱んだ世界から救い出したいと思うのですが
もうぎりぎりのラインです。
人間や他者に対する憎しみ、疑心暗鬼、そして過剰な警戒心がある人は、
決して幸せにはなれません。
また、残念なことに、
脳は年齢が進むと、彼女のそういう世界を強化していくでしょう。
結果的には、他者を憎み、警戒し、常に疑心暗鬼と被害妄想が
その人間を蝕んでいきます。
ただ救いは、Aさんの中には、一筋の素直さがあることです。
今、Aさんが母親のその毒世界と決別し、しっかりと自立し、
自分を健康で、まともな人間へと、作り直す最後のチャンスかもしれません。
頑張って自分の甘えや毒とたたかって、
清新な人間へと生まれ変って欲しいです。
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