『災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
死ぬ時節には死ぬがよく候
これはこれ災難をのがるる妙法にて候 』
これは私が尊敬する良寛のことばです。
これはとても深い言葉であり、
人間の脳の前頭葉はまさに。災難に遭いながら、
脳が成熟していくのです。
以前の私はカウンセラーとして
なるべく来談者を傷つけず、包み込むことを考えていましたが、
今、もう人生の終末を迎えるにあたり、考えが変わってきました。
ほんとうにその人のことを思うなら、
傷つくなら、傷ついた方がいい。
痛い思いをたくさんして、物事の本質を知る方がいい、と
考えるようになりました。
だから甘えたヤツは突き放します。愛情いっぱいで突き放します。
なぜなら、生きることとは、とても厳しく、甘いものではない、ということが
骨身に沁みて、分かっているからです。
またたくさん傷ついて、折れて、立ち上がれないほど痛手を受けても、。
大切なことは、その先で、
●最後はそこから立ち上がるのです。
この気迫があれば、もうどんどん傷ついてください。
また一方では
何があっても傷つかない、という自分を持つ事、
そういう自己暗示をすることも大事です。
さて、前回も書いたように、悩むなら
●何に悩むか、が問題なのです。
失礼ながら、多くの人は、悩んでもつまらにことに悩んでいるように思えます。
特に、人間関係に悩むことは、他者のことなど分からないのですから
そこで悩んでも不毛です。
そこはさっさと手放すことをお勧めします。
ただ職場などではそうもいかないでしょうが、しかし
人間の本能として、いかにもお人よしの人間、
気が弱い人間、依存心が強い人間、
独立心や、自立心がない、
中途半端な人間などは、すぐ付け込まれることを
承知していください。
こういう人は、自分の脇が甘いのですよ。
その上で悩むことは、一つしかありません。
それは、●仕事や、自分が人生の中で
●一番優先したいことについて
悩むのです。
いい仕事をするために、
いい結果を出すために、
そして他者や社会が良くなるために
自分が人生を掛けて成し遂げたいことのために。
大いに悩んでください。
逆にいうと、悩まずしていい仕事なんかできませんよ。
脳は悩む中から、或いは悩み尽くす中からポッと
ひらめきをくれるのですから・・・。
人生の上で、良仕事を成し遂げることは、容易くありません。
命がけになると思います。
また社会貢献も同じです。
どうしたら、自分の存在が社会で役にに立てるかも、
並み大抵の努力ではつとまりません。
そして成し遂げるためには、何十年も時間を要することも
承知しておくこと。
更に、大事なことは、
自分にストレスを掛ける人間や
エネルギーを奪う人間とはかかわらないこと。
上昇志向の人間、威張る人間、ネジくれた人間、
小難しい人間、気分屋の人間、陰険な人間などは
相手にしないことです。
そういう人たちは貴女のエネルギーを奪うばかりです。
こういう人たちとは、多くの言葉を交わしてはいけません。
なにか話す場合は、
いつもワンフレーズの、イエスかノー、でいいです。
クドクドと説明したり、
分からせたりしようとして、多くの言葉を発さないことです。
●必要以上に言葉を発したとたんに
相手との心理ゲームが、始まりますからね。
そして人間のエネルギーも限界があり、
エネルギーが奪われることにかかわっていると
脳にストレスがかかり、さらに大切な人生のエネルギーと時間を
刻々と浪費してしまうからです。
自分の人生のエネルギーと時間をつぎ込むものを模索し、
●人生を戦略的に考え
●多くのことを望まず、
●自分が人生の中で、何を成し遂げたいかを、
●考えてください。
決してあれも、これも、ではなく、
ただ一筋の事へと自分を打ち込んでゆく道を考え、
整えていくことが大事です。
そして最も大事なことは、誠実で正直なことです。
最後に、貴女が為そうとすることを
周囲の人々がすぐには理解できないでしょう。
時には誤解されるかもしれません。
しかし人間はほとんどの人が善良な自分になりたいと思って
いきています。そこを信頼してほしいのです。
貴女が誠実であること、正直であるならば、きっと
やり遂げていく中で、時間が経てば、
周囲には、少しずつ理解者が現れていくでしょう。
貴女の誠実さや正直さがちゃんと伝わると思います。
まずは自分大切に、そして自分の誠実さや正直さを信頼してくだい。
自分を信頼することは、そのまま他者を信頼することです。
そしてそれは、何も言わなくても、ことさらアピールしなくても
チャンと周囲に伝わる波動になっていくことでしょう。
本来、人間とはそういうものです。
恋愛も結婚も子育ても仕事も、すべて、
善きことを成し遂げる、という信念のもとに、
まっすぐ、まっしぐらに、そして純粋であることこそ、
貴女の脳が貴女のベストサポーターになってくれると思います。

追 このコメントはFBでいただいた映画評論家の谷岡正樹さんのコメントですが、
悩むことを一つに絞る、という事をもっとも具体的に理解されているコメントです。
読んでいただけると、光栄です。
○ ○ ○
谷岡 雅樹 虫プロが倒産の危機で、借金取りがわんさか会社に押し寄せたときに、
社長である手塚治虫は、金策に走るどころか、多数の借金取りたちを前に、
その場で漫画を描き始めた。
「ボクからお金を取りたいなら、今、目の前で、この仕事をさせることだ。
それが一番手っ取り早い方法なのだ」そう言って黙らせ、帰らせたという逸話があります。
悩みは一つに絞り、そのことに迷いがないことも天才の条件であり、
天才でなくとも、やはり、悩みを一つにすることに躊躇しない。
悩みが一つなら、どうしたって、人の力を借りてでも、それが天才の力であっても、
奪ってでも、何とかなり、
一つのなかなか解決しない悩みがある以上は、
その他の悩みはどうでも良いことになる。どうでも良いことはどうでも良く、
あれこれやろうとするから、食べ散らかして残すようなろくでもない無様さが現れる。
妙なコメントすみません。
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