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親愛なるAさんへ、7,年月や時間をかけながら、脳の中を整理する。

私の経験からいうと、若い時脳はもっぱら情報集めの段階でしょう。

ところが人間は欲が深いために、早く成功しようとか、

速く成熟したいという風に焦ります。

●脳の前頭葉が成熟していくには、時間と年月がかかるのです。

だから、世の中のことや他者のことや、そして自分自身のことが

よ~く見えてくるのは60代あたりからかな~・・。

そうするとね、30代なんてまだヨチヨチ歩きの段階ですよ。

逆にはやく成功したり、世の中で認められたりすると

逆にそれが災いすることもあります。

つまり、30代や40代で、なんだかわかったような気持ちになってしまうと、

その先はないよ、というこです。

むしろ、30代40代ではもう頭の中が混乱して、

何が何だか分からないけど、

とにかくもがいて生きている、ってくらいでいいです。

そして年月をかけながら、若い時(30代40代、ことによったら50代も含めて)

たくさんの、そして多種、多様で、複雑な情報を収集し、

いろいろな失敗や挫折の中をかいくぐるなか、

情報が整理され、ものの真価が分かりだしたりするのが、その年代です。

だから、若い時は、自分を持て余すくらいがいいのですよ!

反対に若い時にすでに結論がでたり、だしたり、のほうが

脳が固定観念に偏り、発想が貧困になったりします。

自分の中にたくさんの素子やたくさんの情報があるほど、

生きることも大変ですが、

そういう場合は

このシリーズ3で書いたように、

自分の人生の中の目的や意義を一つに絞り、

それについてだけ悩む、という生き方をしたらいいと思います。

そうして一つに絞り、焦点化し、そこへと脳の中を整理してゆく。

反対に、必要のないものは、どんどんそぎ落として、捨てていく。

もう40代後半から50代はこういう領域に入れるといいですね。

人生はな~んも急ぐことはないのです。

だって脳はそれなりに時間を経る中でしか成熟しませんからね・・・苦笑!

次回は最終回として、

自分の脳が何をみているか、

逆に

自分の脳を盲目にしているのは何か、

について

書こうと思います。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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