小説「祐介」のことで書き忘れたことが一つある。
この小説の中の最も温度があったピンクサロンの瞳ちゃんのことである。
荒んで彷徨する祐介の物語の中、なぜかここだけは
パ~っと光が射している。
始めて行ったピンサロの瞳ちゃんはとてもやさしい。
だから祐介は、もう一度その店のあたりへとふらつく。
すると店の路地から瞳ちゃんがでてきて、
今日は給料をとりにきただけだから、店には出勤しないよ、という。
それでも祐介の様子をみた瞳ちゃんは
「今日は暇だし、セックスする?」と。そして
祐介は瞳ちゃんのアパートにゆき・・・。
そしてこともあろうか、祐介は反対に瞳ちゃんから
「これでなんかご飯食べて、ちゃんと食べなよ」と千円渡される。
なんともあっけらかんとした瞳ちゃん。素敵です!
荒んでお金もないノラの若者にはその優さが身に染みる。
〇〇〇〇
それで思い出したのは、おそらくもう7,8年前のことですが、
私のところへ一人の青年がカウンセリングにきました。
22歳くらいの若者で、色々な話を聞きました。
その時、若い男の子ですから、当然性の悩みもあり、私は
彼に「ちゃんとお金を払って、プロのお姉さんに処理してもらいなさい。
素人のお嬢さんに手を出すんじゃないよ。」と言いました。
若者は瞬間「えっ!」という表情をしましたが、
しばらくして彼から電話があり、
「行って来ました、とても楽しかったし、お姉さんはとても優しいかった」と。
ただ、その後彼の母親からメールで抗議がきました。
以来彼は私との連絡を絶ち、今もどこでどうしているか知りません。
人間はそんなにお行儀よくなんか生きていられない!
どうよ、みんなさまよっているんじゃないの!
あの母親は息子を自分の都合で囲い込んで、追い詰めているのになあ~。
でも、ピンサロのお姉さん、優しくしてくれてありがとう!
そしてW君、良かったね、今も元気にしてるかい?!


コメント