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◆ドクターXあれこれ、その5,半沢直樹にあってドクターXに無いもの?

それは半沢直樹の中に一貫して流れる<念>である。

つまり怨念とか執念とかで、ドロドロとした感情がまとわりつく。

だからこそ、半沢は土下座が裏テーマにもなってしまっている。

半沢君が、社会から、或いは大和田常務から受けた傷が、

疼くのである。

しかし大門美知子には、そういう<念>は一つもない。

ないどころか、そういうものはくだらないと彼女は考えている。

自分の父親の診療所を潰した毒島(伊東四朗)でさえ、

彼女は懸命にその命を救った。

そういうあっけらかんさが「ドクターX」を秀逸で超面白いドラマにしている。

もう一つの特色は、

美知子さんは手術の後に大量の<ガムシロップ>を飲むことにある。

それは極度の緊張と集中を強いられたあとの脳のケアとして

<ガムシロップ>を飲む。

私が関心するのは、大門美知子の脳の使い方である。

以前にも書いたが、脳の中は散らかしすぎると、脳力は分散してしまい、

結局低レベルの能力(脳力)しか発揮できない脳になる。

脳学者の中には、あれもこれも何でも食いつけ、と言う人もいるけれど、

私の独断と偏見と,長い人生経験でいうと、それは間違いで、

自分の中に才能を見つけらた、それに集中して、他を捨てないと

才能は優れたものや、研ぎ澄まされたものには、ならない。

その観点からいうと、すべてが手術に収斂される脳をもつ

大門美知子先生はすごい外科であるので、ある。

残念ながら、このことは.

自分の脳世界を一本に極めた人にしか分からない。

また反対に,

なぜか、自分が一本に突き抜けられず、

いつも中途半端なレベルで止まってしまうのを悩んだ人には

分かってくる。

勿論私は後者のほうです…笑!

本当は人間は、自分の使命感以外、何もいらないのである。

その一本を突き抜けていくと、そこにはまさに

<晴天(青空)>が現れる。

※大河ドラマ「青天を衝け」の脚本も演出も、

そこら辺を理解できていなかった気がするよ。

つまり、半沢君は、まだまだ曇天の中、これからも、

念に纏いつかれて生きる、というわけですな。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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