一日の介護の夕飯を食べさせた後、爺さんがテレビの野球を見ているつかの間に、
テレビドラマ一本を見て、ホッとします。
このところ見ていたのが、1月から4月に渡り、深夜テレ東で放映された「絶メシロード」で、
主演は、「カメラを止めるな」の濱津隆之さんです。
ストーリーは、妻と娘がアイドルの追っかけで留守にする週末、
その一拍を使って、車中泊の、絶メシ旅に出かけるサラリーマンの話です。
絶メシとは、地方のいかにもさびれた大衆食堂。後継者がなく、
もう途絶えてしまう(絶メシ)しそうなその食堂です。
ところが、意外とこの食堂に、絶品メシがあるのです。
主人公は、持ち前の鼻と勘で、それを見つけては、食し、満たされる。
話としては、とても単純だけど、実は、とても大切な事に気づかされる。
昭和から平成へかけて、地域の一角で、食堂やレストランを経営して頑張ってきた、
食の職人たち。
美味しものを食べさせたいと、腕を磨いてきたコックや板前のおじいさん、おじさんや、
愛情溢れる接客のおばさん、おばあちゃんがいる。
しかし、それも、全国にはびこったチェーン店や外食産業に押されて、
もう、絶滅危惧種になりそうなのです。
企画的な、ご飯ではない、一品、一食に心を込めて、腕を振るった、
食の職人達が、後継者もなく消えていく。
その味が、その旨さが、その技が、その接客が、消えてしまうって、
これも、何か、私達の大切なものが消えてしまう、と言う事では、ありませんか…。
人が人の為に、働き生きる。その現場が消えていく。
それは、ほんとは私達が、とても大切な事を失うことではないか、と
このドラマを見ながら思います。
ドラマのエンディングでは、実際の店主のおじさん、おばさんが演じた俳優さん達と一緒に顔を見せます。
どの顔も、食の職人としての深さが刻まれています。
地域の為に、人々の為にささやかに頑張った、
慎ましい笑顔が、ありました。
※プラビで見れます。
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