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良かったらインテージの人も、経営者を目指す人も、読んでもらえると嬉しいです!

憲雄氏と私は余り話をしなかったのですが、いつの間にか、

お互いの考えがある種同じレベルに達している事がままありました。

憲雄氏は経営者として、私は心理分析や脳科学の見地からのアプローチです。

この話は、現経営者やこれから経営者を目指す人達には、

もしかしたら参考になるかもしれませんので、

書いておきます。

     ○ ○ ○

まず、脳は基本的に使っている回路は強化されていきますが

使わない回路は退化してしまいます。

この事を踏まえて考えると、

年齢を重ねるに従い、脳は偏っていくという事です。

以前にも度々ご紹介したピーターの法則、つまり、

人間は年齢と共に無能になる、と言う事も、このことがベースにあります。

ピーターの法則は、

ある年齢に達すると、それまで蓄えた知識や経験知がすり減ってしまい、

経験のない新しい事や複雑で高度の状況においては、

無能になる、ということです。

このピーターの法則とは別に、

私達夫婦がいみじくも同じ考えに達したのは、

年齢と共に脳の偏りは、大きく分けて二つの傾向がある、という事です。

ひとつは、どんどん拡張していく脳で、もう一つは保身型と言いますか、

収縮していく脳です。

経営の観点から見ると、

拡張型の脳の経営者は、どんどん新規事業や新製品を立ち上げていきがちです。

つまり、閃き型で思いつきの打ち上げ花火をあげていく傾向を持つ、

経営者です。

収縮型の経営者は、

用心深く慎重で、どちらかと言うと、冒険をせず現状維持に固執します。

どちらが良いかと言うと、

どちらもダメなのです。

拡張型の脳の人は、思いつきや新しい発想を、

いかに段取り実際化していくか、の考察が甘いのです。

実際は、思いついたことを段取り実現して行くことの方が、

遥かに大事で困難なのですが、

その困難さを分かっていないから、

思いつく、のですね(苦笑)

新規事業が利益を生み出すには、相当の道筋がかかります。

その方法論に対する厳しさに

欠けている、と言う事です。

こういう経営者は、新規事業を立ち上げては失敗し、

更にそれらが多すぎて手に負えなくなり破綻する、という事です。

もう一方の収縮型の経営者は、リスクを負うことを避け、

安全路線ばかりを追いかける内に、時代に適応できず、

破綻していく、と言う事です。

では、どうしたら、この脳の偏りを克服した経営ができるか。

まず、自分の脳の偏りがどのようであるか、に気づかなければなりません。

知らないうちに新規事業ばかり立ち上げていませんか。

経営の行き詰まりを新規事業をやる事で、解決しようしていないかどうか。

利益を出すまでの道筋、段取りまでが、脳の中でプログラミングされているかどうか。

また、収斂型の経営者の

安全ばかりを優先する脳は、

脳回路がどんどん限定され、新しい発想ができない脳になってしまってはいないか。

もう、お分かりですね。

たいがいの人は、自分の脳の偏りに気づけません。

自分の脳を相対化するのは、

理性の高等技術ですからね。

拡張型の人は、拡張して快感をえていますし、

収縮型の人は現状維持して、安心を得ていますから、

それがその人の心身の安定になっており、

なかなかそういう自分を変えられません。

ただ、優れた経営者達は、

ちゃんと自分の弱点を相対化していると思いますよ。

最後に蛇足として、

優れた脳の人が書く企画書は、極めてシンプルであり、

最も的を得た言葉で、読む人間が即イメージできるように書いてあります。

なぜなら、既にその人の脳の中で

その企画をいかに段取るかまでが

考察されているからです。

それは、ある程度漠然としていても

構いません。

ただ、着地点がなんとなく、掴めている事。

それがあれば、

脳は自動的に、その着地点へと脳内情報を収斂させていきます。

大胆に発想し、かつ確実に収斂させる。

ですね。

※大根がたくさん来たので、干しました。おアゲと煮ました!

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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