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ガンバレインテージ,みんなでTOBを乗り越えて行こう!その5、新しい出発に向けて!

今から10年前、憲雄氏に異変が起きました。

毎日ふさぎ込み、頭髪がどんどん抜けていきました。

その異変に気づいた私は初めて会社のことを訊ねました。

それまでは,よほどの事がないかぎり,会社について聞いた事はありません。

その時会社で、

憲雄氏に何が起きていたかは、

今はもう書きません。

ただ、彼が

「これからはインテージが普通の会社になる」

と言ったことだけ,お伝えします。

普通の会社とは、

あのインテージウエイが否定され、

普通の会社におきている、

経営と現場が分断され、

経営の権力が強化され、

利潤と業績とが優先順位になり、

出世競争や派閥争いや,上司の取り巻き忖度することや、

パワーハラスメントや残業の押し付けなどで

社員が抑圧される事が

起こりうる会社になる、という事です。

ある女性役員は株価が上がるからそれでいいと私に言いました。

会社は社員のものです。株主のものではない!

とんでもないね。

私は冗談じゃない,と思いました。

しかし、私に出来ることは、憲雄氏を支える事しかできません。

それでも、この危機に対し傍観することが出来ず、

映画「真艫の風」を作って残す事にしたのです。

これからは、業績は高まっても、

社員の皆にとっては、

インテージの冬の時代が来るかもしれない。

しかし、それは

インテージの本来の姿ではないと。

冬の時代とは、業績や利益の前に

インテージの高らかな理念が、置き去りにされてしまう事です。

このシリーズ2でお伝えしたように、

人間は、

自分達を越える高い理念を忘れていくと,

どんどん荒んでいきます。

私はそれを思うとゾッとしました。

果たして社長のM氏は、本当に社員のことを思っているのだろうか。

自分の思いや理念を社員に伝えているだろうか?と。

それで映画を撮る事にしたのです。

当時の社長M氏に気取られないように, 

憲雄氏の引退に向けた家族の物語にカムフラージュして、

撮りました。

それは,今は何もできないが,しかしこれからの冬の時代を経ながら10年後を射程に、

ひとりひとりの社員のみなさんがいつかきっと????インテージウエイの理念、 

そしてそこにあるまともなビジネスとはどういうものかが、分かる時が来る。

その時の為に、

社員のみなさんの為に作りました。

しかし、憲雄氏が会社を退いて、私に聞こえてくるのは、

やはり冬の時代の苦しさや社内での生きづらさでした。

しかし中途半端にうごくと、何をしても水の泡になります。

だから私は時が熟するまで、

じっと待つ事にしました。

そして今やっと時が熟してきました。

今回、

社員の方々ひとりひとりが、

このTOBを通して、考えたでしょう。

この会社がいきのびるために何をしたらいいか。

逆に,何が会社の発展を阻害しているかを 

考えねばならない時が来ました。

また、個人個人も、

このTOBを通して、

インテージとどのように関わるか。更には、未来を含めてどうするかを

切実に考えておられると思います。

新しい天地で,何をしたいかを考えておられる方もいるでしょう。

ただ一つだけ,確実な事は、

どこに行っても、ダメな事はダメであり、

その根源的な原理をしっかりと持ち自覚しなければ,

何ごとも実らないと言うことです。

もしみなさんがインテージをよりいい会社にしたいなら、

少なくともインテージには, 

田下憲雄の残した遺産、インテージウエイがあります。

憲雄氏は悪性脳腫瘍により、余命1年の告知をうけましたが、

手術により、なんとか延命をしています。

これから何年生きれるかわかりません。

しかし、私は、

彼が課長時代に語った、

????社員がイキイキと生きる会社、

彼が人生をかけて実現しようとしたその会社を

皆さまの手で継承して欲しいです。

時間もかかるでしょう。そして、

困難な壁も立ち塞がることでしょう。

しかし、このTOBを乗り越えて、  

新しい体制をつくる中で、どうぞ皆さまに、

力強く、チャレンジして欲しいです。

ガンバレインテージ! 

決意を新たに、

このTOBを乗り越えて

清々しく、颯爽とあれ、

インテージ!

      終わり。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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