心がザワザワする時や、沈黙の中で自分の芯のところに帰りたい時、
ショパンとシューマンのピアノの小品集を聴いている。
どうもショパンはシューマンがいちいち自分の曲にタイトルをつけるのを揶揄していたふしがある。
私には明らかに二人が異質の作曲家であるように思う。
ショパンは溢れでる感情を音に託し,シューマンは情景イメージを音にした。
ショパンは感情を光のように自在に描き、シューマンはストーリーをロジックに音で描いた。
ショパンの音楽の底には深い悲しみが流れている。
凡庸なピアニストはショパンを華麗に弾いてしまうが、
非凡なピアニストならショパンのその悲しみと孤独に触れ震え慄くかもしれない。
少なくともそういうピアニストは七五三のようなドレスは着ないと思うよ(苦笑)
シューマンの中にも悲しみはあるが、むしろロジックの裏側に不気味な不安が漂っているようにも感じる。
それでもシューマンの曲は感情に落ち込まないですみ、私は救われる。
同じ時代を生きたこの二人の青年を、私は親しげに眺めながら,彼らの曲を愛おしく聴いている。
写真の絵は、石本光男画伯の「白い小屋」です。
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