長いこと人間とは何か、芸術と何かを追求し続けてきた私がやっとあることに辿りついた。
それは行けども行けども先が見えないしんどさの中を、
それでも行くしかない、という人間の厳正なる事実というか、現実である。
芸術とは、その人間のしんどさのどこかに響き、寄り添うものであることに気づく。
それは,高き空や自然の美しさであったり、
時に人間の醜悪さの共有であったり、また、
孤独が孤高へと変質するプロセスであったり、
芸術が、人々のその今に、
語りかけていく。
人間の美しさとは何か、
人間の醜さとは何か、
今の自分から一歩進む為に、
また反対に今までの自分を見つめ直す為に。
芸術の美しい光、厳粛なる事実、そして、
優しい労わりが、
私達の中にドンと何かを響かせ、
命が吹きかえる。
今回、香本博氏の個展「秩父のゴッホ 香本博展」をプロデュースし、
同時に
田下憲雄のメッセージ集「会社は社員を犠牲にしない」を刊行したことは、
私の本当にささやかな、喜びです。
憲雄氏がいつも言っていた、
遠慮がちにそっと差し出せ、という
贈り物として、ね!
「秩父のゴッホ・香本博展」より
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