◆シリーズガラス戸の中より、日本はこれからどうなっていくのか、その5,若者のエネルギーを集約できない社会がニートやフリターを産み出した。

若者たちが直面した日本の現実は

彼らの夢や希望をへし折る大きな壁として立ちはだかりました。

その結果、彼らが作り出した非現実世界が、腐女子であり、BLであり、

異界や異能、異次元世界でした。

先日若者に、今何が流行ってるの?と聞いたら。

「殺人」と「異界」だそうです。

彼らにとってあまりにも貧相な現実は

妄想をたくましくして、異界や異次元世界へ浮遊するしかなく

さらに彼らの中に内向した攻撃的エネルギーはゲームや漫画やアニメで

発散するしかない、ということでしょうか。

例えば2ちゃん今は5ちゃんというのかな、

そこで繰り広げられる匿名の批判や攻撃性は、まさに

現代の若者の閉塞感の中、出口のない攻撃性が噴火していると

私は考えます。

なぜなら、人間の脳の中には、原始的エネルギー源である辺縁系という部位があり、

辺縁系こそは、生命エネルギーとしての性衝動や

自分以外を威嚇攻撃したくなるエネルギーを常時作り出しているからです。

それは、何かを契機に攻撃としてエネルギーを発散させなければならないもので、

仕事や、遊びや、スポーツなどで上手に消化できていない場合は

他者に対する敵意や否定感や怒りとなって内向します。

●動物である人間は、他者を攻撃したら、スっとするのです…苦笑!

その時、妄想は敵を仮想し、或いは攻撃目標を仮想し、それを攻撃するための

●言い訳をつくりだします。

それは時にパワーバランスの元に吐き出されます。

つまり自分より弱い者を無意識に選び、攻撃を向けるのです。

イジメなどはまさにそうですね。

そして、意識は自分の言い訳を作り出す機関でもあるのです。

人間ってね、生命エネルギーを持つ<なまもの>なんですよ。

だからエネルギー循環がうまくいくと幸福感や充足感が生まれますが、

それが詰まったり、停滞すると、鬱が起きたり、暴力的衝動が起きたりするのです。

そんな中若者たちにとって、現実的希望としての社会が閉塞しているですから、

その代償現象としての妄想社会や2ちゃん(5ちゃん)が生まれるのは、自明の理といっても

いいかと思います。

現代社会はまさに、若者のエネルギーを集約し、

生産性へと成就させる、そういう社会機能が

恐ろしく衰退しているのです。

その一つは、

明治以来ずっと上り坂であった日本の工業社会が

解体しつつあることだと思います。

1980年ごろからのデジタル情報社会が始まる中、

工業社会の解体とそれに比例して、大量生産と大量消費の経済も解体されつつあります。

反対に情報を基にした個々の小企業や中企業へが雨後の筍のように台頭してきました。

誰もが企画品の大量生産物を使うのではなく、

様々な個々の主観的ニーズが生まれる時代になり、それににこたえるべく、

供給側も多様に分解して登場してきましたが、

大資本の企業が衰退する中で、労働力は合理化され、

若者の就業の場は極端に減っていきました。

だからこそ、ニートが生まれ、フリーターが生まれてきたのは

社会の流れの一つの必然なのです。

小資本や中資本の企業や事業所はブラック化して彼らの労働力を搾取しました。

引きこもっていたAさんが、私に「企業はみんなブラックだ。」と言い放ったのは、

若者には、そういう風に現実が見えているからです。

そして実のところそういうブラック企業が、もう当たり前のように

日本にはびこってしまったのも、事実です。

アルバイトやパートやフリーターで食いつないでいく企業です。

そんな社会の中で、

若者たちの逃避先は、ゲームであり、漫画であり、アニメであり、映画であり、

そこに妄想世界が大きな力を以て跳梁していったのは、

一つの必然的帰結なのですね。

ただね、ここで口を酸っぱくして言いたいのは、

妄想も、負のエネルギーも、それに依存すると、

飛んでもない脳になってしまいます。

●脳を甘く見るな、と思います。

脳はとても正直です。脳を甘やかしていると

その人間の知性の成長が止まります。

次回はそれを書きましょう。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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