MENU

シリーズ「ガラス戸の中より」これからの日本はどうなっていくのか、その9、政府依存の心理と体制の国民性が足かせになっている。

政府行政に依存することが、なぜ癌なのかについて

堺屋太一著「知価革命」から引用します。

何よりも重大なことは、

政府依存型の心理と体制とが

自由な発想と新しい技術の導入を妨げ、

遅延させる危険である。

政府が定める規則や基準は、

どんなに運用を弾力化しても、所詮は

安全第一の全国一率方式にならざるを得ないからだ。

現に日本政府の膨大な許認可手続きによって、

新しい技術の導入や製品の販売が何年も後らされている例が

いくらでもある。

それが特に医療や通信機器など先端的な部門に多いのは問題だろう。

中略 

しかしこうしたことも単なる制度改正や役人の再教育で済む問題ではない。

その背景には、何事も「政府の責任」という世論と国民感情があるからだ。

これある限り、役人としても厳格な規制と監視を怠るわけにはいかず、

いきおい統制的干渉に走ることになる。

         堺屋太一著「知価革命」PHP

「知価革命」は今から35年前に出版されましたが、

まるで預言のように日本はデジタル化も世界の水準に乗り遅れてしまいました。

更に本当は日本でも日本製ワクチンの研究がなされているのに、その遅れは

研究機関への支援が少ないからです。

実は私は今の若者文化である漫画、アニメ、ゲーム、映画がなんとなく

中世回帰のような現象であるなあ~と言う事から

この本のことを思い出したのです。

堺屋氏は、古代のあの科学的、合理的世界がある時からパタッと消えて

中世の暗黒へと突入していったことと重ねて

高度に技術が発達した今の次の時代は<高技術中世>になりうると示唆しています。

ほんとうにそうなるかどうかは分かりませんが、

少なくとも今の時代を突き放して大きな視野から検証する必要があると

私は思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

コメント

コメントする

目次