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芥川賞「ハンチバック」すごいものをぶち込んできた!

芥川賞作品ハンチバックを読んだ。

もう何年も読むのをやめた芥川賞作品を読む気になったのは、

「ハンチバック」の作者を見たからだ。

もっと言うと、作者の顔みてそう思った。

私は顔で判断する。

厳密に言うと顔の相だけでなく、 

体の相も、又その人間の髪型や着ているもの、身につけているものらさらには言葉から判断するのだが。

彼女の顔には、今までの受賞者にはない、

激しく厳しい殺気と知性を感じた。

読んでみてびっくりした。

すごいものをぶち込んだきたなぁ!

実をいうと、最初の導入でまず拒否感が湧いた。

しかし、そこは逆に

怯まず読んでやれという、

私の闘争心と好奇心が刺激された。

全90ページを一気に読んだ。

そのおかげ、昨日は爺さんの入浴のヘルパーさんが来てくれる日なのに

それを忘れてしまい、慌てて風呂を沸かした。

言葉の硬さや、情緒の膨らみに欠ける感もある。

しかし、

背骨が湾曲していくという重度障害者である自分を涅槃に生きるものとし、

そこから現世にロケット弾をぶちこんでくる文体には、殺気があり、通快でもある。

そして、そして瑞々しく女らしい。

女らしいというのはね、

男に媚びて女らしいといのではないよ。

女から見て女らしいのです。

上手く言えないけれど、もしそれがわかる男がいたら、それは素晴らしい。

私から見える世界と、彼女から見える世界の、それぞれの違う窓から

お互いが、

タイマン張って、見えてくる。

つまり書き手と読み手が対等ということ。

もともと私は、障害者とか健常者と言う言葉も嫌いだし、

そういう区別も嫌いで、

どんな人間も自分の土俵の中で自分と相撲を取るしかないのが生きることだと思っているからね。

ただ表現されたものが

キラキラと輝いているか否かだ。

やっとこのヌルい世の中に、

軟弱ではない、独りよがりの感傷者ではない作家が

出てきたカモ。

44歳、これからが書き手としての、

地獄の3丁目かも。

でも、ガンバレ!

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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