MENU

エッセイその1、もったいないをやめる。

先日食に当たりえらい目にあった。

美味しいチャーシューの塊を買って来て半分だけで食べ、

残りを冷蔵庫にしまっておいた。

それをすっかり忘れ2週間後に思い出し、

腐ってないかを確かめるために一切れ味見したら、

その一切れに当たってしまったのである。

8度近く熱が出て悪寒が走り、その日は一日中寝るハメになった。

もうつくづくもったいないをやめようと思う。

世間では美言であるこのもったないが、

クセものなのだ。

食べ残しをもったいないと冷蔵庫に入れているうちに、

冷蔵庫はゴミだらけになる。

着なくなった服をいつまでもタンスにしまっている。

ちょっとしたものも、いつか使えるかもしれないと取っておく。

実はずっと前からこのもったいないと思う自分が、

嫌で嫌で仕方がなかった。

その呪詛の素である私の母親が死んだ時、

実家の押入れいっぱいに、

山ほどモノが積み込まれていた。

彼女のもったいない精神で積まれたゴミの山が聳え立っていたのである。

それを始末するのに二日もかかり,ついに私は熱をだした。

その時、もーいやだと私は思った。

もったいないと思わずサッサと捨てること。

おかげで我が家の冷蔵庫はスッカラカンとなった。

今はダメだが爺さんのケリがついたら、

もう家中のものを捨ててしまおうと思っている。

もしかしたら私の方が先に逝くかもしれないが…笑。

すっかりものが無くなったカランカランの家の中を、

清々しい風が吹き抜けるのを夢みている。

台所の隅にほおっておいた株の花が咲きました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

コメント

コメントする