ノックアウトステージを見ました。
さすがに熟練した芸人さん達の技は面白うございました。
中でも素晴らしかったのは<囲碁将棋>と<金属バット>です。
<囲碁将棋>の事は後日書くとして、
<金属バット>はその抜き身の刀の切れ味が最高でした。
今の社会風潮である、保守政党や左派政党の文言を鋭くちらつかせ、
まるで彼らは保守か、左派かの代言者か、と思わせた瞬間に、
それを反らせて、お笑いにしてゆく、という芸です。
つまりそこに、左派でもなく保守でもない、時の世俗を揶揄する<芸人の立ち位置>があります。
<金属バット>は、芸人の本領とは何かを、よくわかっているのだと思います。
芸人の本領は<河原乞食>です。
<河原>芸ともいいます。
もともと芸人とは、
市民社会から弾かれた河原に棲む人間、或いは、定住を持たない流浪の民です。
彼らは、市民社会で権力者の下におとなしく住む定住者ではありません。
定住者は、
その市民社会の枠の中で住む代償として、権力者や社会にはむかわず従属することです。
滅多なことは口にできない、その代わりに定住という安全圏を授かっている。
しかし乞食者は、
そういう縛りから自由です。
だから乞食者は、権力者を嘲笑ったり、こき下ろしたり、毒づいたり出来るのです。
定住者は、日頃のおりこうさんで生きることの、鬱憤や自分の攻撃性を発散できない代わりに、
お足(お金)を貰った乞食者達が、その憂さを晴らしていきます。
乞食者(芸人)達は、
定住者が面と向かっては言えない、自分の上司や社会の上層や政治権利者達に対して、
毒ガスを浴びせてくれるのです。
<金属バット>はいつもこの芸人の本領の位置にいようとする芸人で、
ボケの小林君にはその信念すら感じます。
もちろんツッコミの友保くんが、愛嬌を持ってそれをうけとり、巧妙に刀の切先を逸らしていくのですが。
実のところお行儀の良さばかりが求められる昨今の御花畑の世の中では、
この芸人の本領がものすごくボケてしまいました。
しかしこのところ少しずつではありますが、
やっぱり本音のところを突く芸人と芸も戻りつつあります。
そんな中で、際立つのが<金属バット>の芸です。
芸人としての最も原点であるその本領こそを、失わず、
小林君、友保君に、頑張って貰いたいです。
素晴らしいことです。

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