おばあちゃんはもうすぐあちらに行かねばならない。だから少しだけ君らに書き残していくからね。
さてこれから、というより、いやもうA I時代に入ってしまったかもしれないね。そこで聞くが、人間にとって一番大事なことは、なんだと思う…。これが肝心なんだけど、
実は情緒なんだね。情緒が大事ってことは、優れた数学者の岡潔先生も言っておられる。だから機会があったら是非先生のエッセイを読んでください。
つまり情緒こそ、人間にあってA Iにはないものなのです。
そして人間はいつも情緒によって左右される生き物なんだね。例えば君がいい気分でいても、誰かの心ない一言で、
君は一瞬のうちにエネルギーを奪われ、やる気を無くすだろう。
そのやる気を無くした君も、誰かのちょっとした褒め言葉で、さっと気分を取り戻し、エネルギーが戻ってくるでしょ。
そういう風に人間は、
いつも気分という情緒の中に生きているんだね。
そして情緒というのは、気分だけじゃないんだよ。例えば、美しいことや、素敵なことに心が澄んでくるのも情緒であり、
反対に、
汚いものや、野蛮な行為に対する拒否感も、情緒です。勿論面白いことや愉快なことに大笑いするのも、情緒です。
そしてこの情緒こそが君らの創造性のエネルギー源であり、かつ、生命力なのです。
人類が歴史を重ねながら獲得してきた、大事なものなんだよ。そして、
断っておくがA Iにはこの情緒がない。
A Iにはこの情緒は、湧いて来ないんだねー。
この情緒こそ、君らが笑ったり喜んでだり、傷ついて悲しんだり、辛いことで苦しんだりする中で、人間としての君らを育てているのです。
A Iの時代、いくらA Iが、何億のビックデータや卒倒しそうな数値の中から答えを導きだしても、君一人の中で磨かれた君の情緒には及ばない。
それこそが確かなもので、君の中に浮かんだり沈んだりする君の、君だけの情緒の世界をしっかりつかみながら生きてください。そして、
道具としてのA Iをも使いこなし、頑張ってください。

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