先日BSの番組で佐藤優氏と手島龍一氏が日本の外交について話していた。
それを聞いた私は、外交とはつくづく脳地図の話だなぁと思った次第です。
私はそれを各自の脳地図と表現している。
同じように世界の各国もそれぞれの脳地図(脳世界)を持ち、そこには
脳地図の地政学がある。
文化や文明の違いだけではなく、
倫理観も道義も規範の基準も違い、
社会感だけでなく地政学的にも、
人間性や感性や感情の成り立ちが違う。
その違いをぬって政治は外交をしなければならない。
他国の脳地図が見えない政治はともすると、
表面的なパワーゲームになりかつ自国利益優先となる。
つまり自分の国の論理でしか世界をはかれず、
自分の国がいかに周辺の国に支えられているかが、見えないのだ。
ロシアや北朝鮮もその典型でもあり、中国は頭がいいから脳地図を読めている分、
より狡猾に動こうとしている。
トランプ政治もその傾向があり、
だからこそ外交は独りよがりだと危うい。
むしろ世界や相手国の状況に合わせて共存して行く為に、
自在に対応する、
柔軟さや大きさがないと行き詰まる。
私達日本人にとっての正義や道理や規範は、
ロシアや北朝鮮や中国には通じないし、
それは同様にヨーロッパ西側諸国やアメリカにだって通じないかもしれない。
脳世界が常に他者との危うい仮想と仮説の中にあるように、
世界との外交も言葉ひとつボタンひとつ掛け違えると、大変なことになる。
つくづくこの世とは、
脳の世界が映し出されているのだと思います。
そして私達日本人も、私達の価値観も倫理も道義も規範意識もすべてが、
日本という国の文化と風土に規定されている,という事を自覚しておく必要があります。
それは私達にとっては、美しい日本の文化でもあるが、
極めてローカルな世界であり、
万能ではない,という自覚と認識を持つこと。
その自覚の上で、
そして実は、
その逆説も成り立つということです。
つまり万能ではないが、
日本には、日本独自の外交の仕方があり、
そこにこそ、他国にはない日本の独特の知性の道も有るということです。
アジアのこの小さな国日本は、
世界をオロオロと見渡しながら、
綱渡り的な外交をしているが、
それが幸いし、
賢い知恵を結べることもある。
つまり世界を見渡しながら、
世界の脳地図において
日本がどのように模範となり得るか、
それも可能だということです。
とても難しいことだけど、
戦争放棄した自国を世界でどう生かすか。
お手本になれるといいね。
コメント