先日見たトーク番組の中で、
或映画プロデューサーが、このままだと日本の映画もドラマも消滅しかねないと言っていました。
今日は歯に衣着せずバンバン厳しく、過激に書きます。
◯
遅ればせながらドラマ「VIVANT」を、見終わりました。
半分面白く、半分ガッカリしました。
最初の二話は、雄大な砂漠でのロケの映像が美しく、
またバルカン共和国の警察に追われる活劇も、素晴らしかったです。
おー,日本もやっとダイナミックにお金をかけてドラマをつくる気になったかと思いました。
またモンゴルの俳優達もよかったです。
ところが3話以降、
だんだんストーリーが見えてくるにつけ、やはり脚本の安易さが気になりました。
更には主役の界雅人さんと役所広司さんを除いた俳優さん達は、
みんな素晴らしいかったですが、
残念ながら界さんの演技は強弱に難があり、
役所さんはもう言葉にならないくらいダメでした。
詳しくは後で書きます。
話はテントという国際テロ集団と、それを追う別班とよばれる日本の自衛隊の秘密特殊部隊の話ですが、
テントというテロ組織の位置付けと内容の描き方が、なんとも安直なのです。
そして、最終的には、テントの首領である日本人の父親と、別班員の息子とのヒューマンドラマになってゆくのですが、
それもいつもの日本的ヒューマニズムの感情移入の世界で、
殺戮をするテロ組織の、
冷酷性や残虐性対する認識が、
猛烈に甘いです。
つまりテロ組織に対する臨場感が、余りにも希薄としか言えません。
それが役所さんの演技の甘さにもあり、
役所さんの目つきには,
ちっとも厳しさや、テロ組織の首領の冷酷さが、
見られませんでした。セリフにも殺気がなく、
私はむしろそこに彼の俳優としての限界があるように思いました。
もしかしたら配役ミスで、他の俳優さんならキリリと場面が引き締まったかもしれません。
界さんに関しては、激しい感情、怒りや悲しみなどが募った時の演技は過剰ながら上手なのですが、
好青年や普通のさりげない場面の演技が、臭いのです。
その演技の落差が気になります。
もしかしたら、
彼は、普通のさりげない演技ができないのかもしれないとも、思いました。
この二人以外の俳優さん達は、それぞれが素晴らしかったです。
もうひとり日本の公安の刑事を演じた阿部寛さんはいつもの一本調子の演技と滑舌の悪さがありましたが、
それでもドラマの中の清涼剤としては良かったです。
脚本や演出は「半沢直樹」の時の方々だとききましまが、
「半沢直樹」の時は、それなりに
日本の現代社会や銀行組織の現実と臨場するリアリティがありました。
しかし今回の「VIVANT」は、あまりにも
机上で作り上げた作り物感があり、
観念的な産物でした。
最終のどんでん返しは、それなりに活劇として、面白かったですが、
共感性があまり感じられませんでした。
その結末もいかにも日本的感情の復讐劇となり、お粗末な結末でした。
世界的なテロ組織まで作り上げた首領のその意識と思想が、
こんなチャチな復讐劇で幕引きかと思うと,がっかりしました。
今世界は戦争やテロや難民の厳しい現実が突きつけられている中、
いまだ泰平の眠りから覚めていないとしたら、
日本のクリエイティビィティの低さは
深刻だと思いました。
なんとかしなくちゃねー。

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