実は、ほんとに偶然なのですが、
一週間前にシュレジンが―の「命とはなにか」を読み終えた後、
私の中で懸案となっていた本棚を整理しました。
その中で、以前買って未読にしていた
福岡伸一先生の「生物と無生物のあいだ」という本を見つけ、
たまたま読んだら、なんと
この二冊の本が、繋がっていたというわけです。
◆
それでは、
科学者から見たら、あまりにも雑な説明に、
目玉をひん剥かれて叱れそうですが
わたしなりに、試みます。
◆
まず、宇宙の全てがエントロピー増大という大原則の中にある、
ということを知っておいてください、
エントロピー増大の法則とは、
宇宙や地球のこの世で起きる現象のすべてのことは
自然の流れの中で
秩序ある状態から無秩序へと移行していくという事です。
無秩序になると風化や崩壊が起きるということです。
人間の場合は、細胞の死です。
〇
physics(物理学) の知見に立って見渡す生命の世界は
原子と分子の世界です。
私たちの脳と身体の原型は遺伝子に添って設計されます。
そしてその命は
不可逆的な時間の流れの中で進行します。
つまり後戻りすることができない時間の中へと
私たちは生まれた瞬間から、生きるために一歩踏み出すと
いう事です。
遺伝子による人間の原形は一つの秩序の中に在りますが、
その生命活動が一歩踏み出した途端にその秩序は不安定になります。
新しいことを始めるということは、その原型の秩序が崩れるということでも
有るのですね。そして
私達の人生=脳と身体は、この秩序→不安定―秩序、という形式を取りながら、
進行していきます。それは大枠では
宇宙の大法則エントロピー原理に従って、
常に秩序から無秩序(生から死)へとエネルギーが流れます。
が、しかし、
人間の存在=生命活動は
エントロピー増大≠死へと
一直線に進まず、絶えずそれに
抵抗しながらあるのです。
それが命の営みであり、私達の人生であり、
凄いことなのです。
どういう風に凄いかというと
私達の生命活動は不安定を修復するために
●常に欠損箇所や不安定箇所の細胞を
●分子が、即時に入れ替わりながら、メンテナンスしていきます。
私たちの脳と身体の秩序の現状維持のために分子が即時入れ替わり、
生命を担保し、維持していくことです。
私たちの生命がエントロピー増大の法則に添って
一機に崩壊しないように
原子(分子)の活動はエントロピー増大に抗しながら、
私達を生きさせているという事です。
具体的に言うと
私達がある食べ物を食べると、それは分子に分解され、
体中のありとあらゆるところへと分散されていきます。
内臓は勿論、血清や,骨や歯や,髪の毛や爪や、その他、
体中のありとあらゆる部位で分子は古いものが分解され、
新しいものとの入れ替えが図られているのです。
勿論、脳細胞においてもです。
私達の眼には見えないところで、まったく気づかないところで、
脳と身体のすべての機能が保持、或いは
現状維持(ホメオスタシス)されるために
常に分子がとっかえられ、細胞がメンテナンスされ、
新しいく●再構築されているのです。
ほおっておいても、
脳の細胞も,内蔵の細胞も,皮膚や筋肉の細胞もすべてが
懸命に働き、
いつも体をメンテナンスしてくれている、
という事です。
わたしの命も,あなたの命も、
生きることを育まれ、守られ、そして
人生をある一定の時間の中(人生)で
保証されているってことです。
そういう人生の時間の流れの中ので、
僅かな微々とした変化をしながら、
命は充実し成熟して、
死へ向かっていくのです。
こうしてphysicalに見てみるとまさに原子の働きは
「方丈記」の冒頭のようであります。
「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。」
しかし
私達の命は、はかないものでは
ないのです。
悠久の宇宙空間と時間の一員として
きわめて精緻でロジックな素粒子の行動と、
神の手とでもいうべき
すごい物理的なシステムとメカニズムの中で、
生かされているという事です。
則ち、
人間という現象は常に
命を生かそうという細胞(原子、分子)の営みのなかにあり、
そのプロセスの中にこそ
私達の生きるというドラマがあるということです。
福岡さんによると
「脳は生命にとっては中枢ではない。むしろ、
知覚、感覚情報を集約し、必要な部局に中継する
サーバー的なサービス業務をしているに過ぎない。
情報に対して、どのように動くかはローカルな個々の
細胞や臓器の自立性に委ねられる」
素晴らしいね。
頭(脳)で、よけいな心配をしないことだと、
いう事ね。
最後に立花隆さんも書いておられるように
私も
自然の流れの中で、
死ぬまでちゃんと生きる、と
いうことことですかね~。

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