ここでちょっと田下憲雄氏の考え方というか、
世界観を少しお話しします。
それは実はとても大切な視点ですので、書いておきます。
◯
台湾有事もないし、中国が日本を武力攻撃することも、ない⁉︎
その②
憲雄氏は自分が経営する会社が、自分がいなくなっても50年は持つように、と中国についての研究を始めました。
そこには憲雄氏独特の視点や史観がありました。
それは、
これからの国際的なビジネス展開に
中国が大きな鍵を示していくであろう,という事と、
もうひとつは。
中国が一人前の経済国としては、まだまだ発展途上国であり、
熟していくまでは時間がかかるという認識です。
つまりまだまだ経済オンチというか、
生産技術も未熟であり、自由貿易世界市場に対しても、未熟な中国が、
名実ともに、一流の成熟した経済国家になる為には、
これから学習しなければならない事が山ほどあり、
その学習のプロセスを経ていく為には、
まだまだ時間がかかる。
そのプロセスに、
どう日本は向き合うかを,戦略的に考えていなければならないと憲雄氏は考えていたと思います。
それはおそらく、何十年かのスパンの中で、戦略を立てなければならない、という事です。
私は憲雄氏のように、中国が未だ発展途上であり、
その経済が成熟して行く、というプロセスまでを視野に入れて考える人を、
彼以外に見たことがありません。
例えば、中国が企業国として
まともな経済を作り上げていくには、
1、国益企業がそのその資金力で、
新規事業にたくさんの補助金をぶち込んで、
いかにも花形のものの研究やプロジェクトをばかり促進するのではなく、
もっと基本的な、地道な経済を学び、技術を学び、かつ、
しっかりとした経済を勉強し、
産業の基盤を作る事です。
その為の賢い人材や、技術者を育てないと,いけませんね。
例えば、どこの町か忘れましたが、
憲雄氏が、視察に行ったその街には、
たくさんのマンションが建っていたが、それはいわゆるゴーストタウン化していました。
それはまさに中国人の経済感覚の未熟さをしめしている。
つまりこれが儲かるとなると、
まるで砂糖に蟻が群がるように、
そこに群がり、投資をしていくという、
そういう現象を起こす中国人の経済感覚が、
いかに未熟であるかを表している、
と話していました。
また、ビジネスの中に、
2、共産党の権力を介入させない、というルールを、
中国は学び、痛感しなければなない。
経済というものは、そういう
権力で強権的にやるものではない。
また即席に、一攫千金を狙うものでもない。
確かにそういうIT企業もありましたが、
それはマトモな企業の在り方ではない。
長いスパンの中で試行錯誤しながら、
しっかりとした産業の基盤をつくり更に、
着実なマーケティングの青写真を作り、
持続可能な企業理念とシステムを作り上げていく。
この
作り上げていくというプロセスこそが、
大事なのだ,という事だと彼はいいたかったのだと思います。
中国はそれを学びまた、国際間のルールとして守るときこそ、
経済大国としての成熟がある。
こういう事は、製造業を放棄して金融に走ったアメリカや西洋諸国の経済にも言える事でもあり、
それに同調した日本の経済も、衰退低迷の中に入ってしまいました。
長くなりましたが、もう一つ中東について、書きます。
中東もまだその文化が発展途上にある国々です。
例えばサウジアラビアでは、
厳禁であった映画上映が、今は解禁されています。
また、女性が車を運転することも、禁止されていましたが、
今では普通になりました。
もうひとつ面白いことがあります。
イスラム教ではアルコールは
不浄なものであり、その為にお酒は厳禁でした。
ところが、コロナの時に、どうしてもアルコールを使わざるを得なくなり、
今では、モスクの中でも使われるようになりました!
お酒までが解禁されたかどうかはわかりませんが、
どうやら中東の宗教的なものも、少しずつ
解放へと変化しつつある、という事です。
一度にすべてが変わる訳ではありません。
私達は他国,他民族に対して、
その成熟への進行を
待ち、教えて、見守る事が必要です。
◯
改めて憲雄氏のものごとを固定化(確定化)せずに、
大きなマクロ的視点から見て行くということの大切さを、私は学びましたが、
こういう大きなマクロ的視野を持つことはなかなか難しいです。
普通はどうしても目先の事にばかり囚われてしまいます。
憲雄氏の中国探究は、残念ながら後継者によって、
強制的に打ち切られてしまいました。
もし、それが続いていたら、
中国の本当の実体を知る大きなビジネス展開になったのではないか、と思うと、
かえすがえす残念です。

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