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◆ドクターXあれこれその4,「半沢直樹」の香川照之の苦み。

半沢直樹」と言えばやはり香川照之さんでしょう。

この人なしには半沢はありえない。しかし

なぜか、香川さんの顔にはある種の苦みが消えない。

これは演技では消すことのできない、

香川さん自身の人生の苦みのようで、

どうしても香川さんの皮膚の内側から染み出ている。

それが「坂の上の雲」の正岡子規などの場合は、影と深みになったが、

「半沢直樹」の大和田常務となると、なにか邪魔になってしまう。

つまりあのどうしようもない大和田常務でさえ、

無垢の笑顔の瞬間があろうに、そういう瞬間が一つもなく、

どうしても苦みが纏いつく。

もしそういう一瞬があのドラマのどこかであったら、

あのドラマはポンと一ランク上がると思います。

私は香川さんがどういう人生を送ってきたのかは全く知らない。

しかし、ここまで深く苦いものを沁みさせている役者も少ない。

それでも、どうしても取れないその人間の苦みというのが、

つまり香川照之の演じる人間の深さとなり

いつか、他の役者がとうてい辿りつくことのできない

深淵の演技者になることを、私は確信している。

三國さんをはじめ、そういう役者が数人いたことを記憶している。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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