司馬さんの言葉が美しい。
司馬さんとは勿論、司馬遼太郎のことで、その言葉は美しいというより、端正で気品がある。
時々司馬史観がどうのこうのという輩もいるが、私にとっては史観などどうでもよく、
司馬さんがイキイキと描く人物像と、その背景に描かれる時代洞察に惹かれる。
兎にも角にもお勧めしたいのは「坂の上の雲」の冒頭のからの文章で、
このいっぱつから、文章の美しさに、脳天をやられる。
最近本当に世の中に嫌気がさしている。
嫌気がさしていると同時にめっちゃ悲しい。
この悲しみを跳ね退ける為に司馬さんの「知の世界」ににげこむ。
以前読み掛けて挫折した本をまた読みだした。題が素晴らしい。
「世に棲む日々」主人公は「吉田松陰」
なぜ途中でやめたかというと、畏れ多くも、松陰と私自身があまりにも似ていて、
その猪突猛進さと、思いついたら自分の正義に向かって走りだす、
それも、無防備のままに、
気がついたらもう走っている。
つまり松陰の、無防備に突進して自爆してしまうところが本当に辛くなったから読むのをやめた。
いや、まるで私自身じゃないかと。
そして私はまさに、長州人を自認している。
子供時代を過ごしたのは、山口県下関市長府町だからだ。
ぺリーのアメリカ艦船に乗り込もうとして失敗し、自ら自首して捕縛される、そのバカ正直も私そっくりで、読み続けるのがしんどくなった。
しかし今また読み始めて、
読めば読むほど「世に棲む日々」というタイトルが目に沁みてくる。
そうなんだ、世に棲む日々なのだ、と。
それが何をさすのか、この私の拙い文を読んで下さっている方々ならきっと、
わかると思いながら、
書いている。

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