私には数年前から日本及び日本人に対して深刻に危惧していることがあります。
それは日本人の感覚や意識があまりにも
非現実的になってしまっているからです。
先日ウクライナの公式ツイッターに、ヒトラーと昭和天皇、そして
ムッソリーニの写真が並べて掲載されました。
抗議により天皇の写真は即、削除されたそうですが、
いずれも第二次大戦の敗戦国のリーダーです。
そしてそれらがファシズム体制の国であったことはその通りです。
ただ戦前は現人神であった昭和天皇は、人間宣言され、そして
新憲法下、日本は国民主権の国となりました。
昭和天皇がマッカーサーに会い、
自分の命はどうでもいいから国民を救ってくれと懇願し、
そして
マッカーサーも天皇の人柄において
この人をおいて日本を統治することは日本の崩壊になりかねないこと
判断し、天皇制を象徴という形で残しました
そういういきさつは日本の国民なら、誰もが理解していますが、
おそらく、ほとんどの外国人にとっては
天皇は日本ファシズムの大元であり、
彼の統治下で軍隊が戦争をした、ということは、
ごく当然に受け取られていると思われます。
今回のことはまさに世界の現実でもあると思います。
問題なのは、
日本人は、日本という国が外国人の客観的な目に
どう見えるかを、ほとんど検証もせず、むしろ
●自分達の認識や感覚の延長上に外国人や外国世界があるような錯覚をしている、
ということです。
また先般は、
ウクライナに折り鶴を贈ろうとした中年の男性もいました。
彼は確かに善意ではありましょう。しかし、
殺戮の真っただ中、武器の援助を懇願しているウクライナに対して、
余りにも情緒的反応です。
日本は憲法九条があり、ヘルメットや防弾チョッキしか送れない中、
折り鶴を贈ることは、世界の失笑を受けかねないです。
その認識の甘さはどこから来るのか、というと
●日本人の現実感覚の鈍さだろうと、私は思います。
日本がず~っと平和であった事は、ほんとう素晴らしいことであり、
理想の国そのものでもあります。
しかし、そういう中で、日本人の文化が、どんどん現実離れし、
反対に若者の中に●妄想文化が拡販されていることに
私は著しく懸念を感じます。
特に若い層、50代くらいまでの若い層に、
現実的な鋭い見識や感覚が、うすいように思います。
もしかしたら老年層も同じかもしれませんが。
実は5年くらい前、若者達をカウンセリングしている中、
私は愕然としました。
彼らが、妄想世界を良しとし、
妄想をもてあそび、さらに
その妄想を、
現実場面まで持ち込んでしまっている事
唖然としたのです。
アニメ、ゲーム、そして漫画、
それ等の多くが空想、妄想世界であり、
・非現実的な恋愛
・非現実的な暴力などが、
若者の世界を網羅し席捲している事。
そして
仕事を持つこともなく、
二-ト、フリーター、引きこもり、さらにパラサイトという
親のすねをかじり続ける若者が沢山いること。
私がカウンセリングした現在38歳の女性は、
三次元男性には興味がなく
二次元男性に熱狂し(二次元男性とは、アニメや漫画にでてくる主人公のことです。)
そこにお金もエネルギーも入れあげ、
40歳ちかくになってもフィギアで遊び、
現実社会から目をそむけ、現実社会には興味も関心もない。
そういう彼女たちから読んで感想を教えて欲しいと言われて
ある有名なBL女子漫画を読みました。
読んでみると、まあ、ヘルマンヘッセの亜流といいますか、
男子学生寮の話でしたが、
そこはやはり情緒的世界であり、
人間のことも、その性のことも、命のことも、すべてにおいて、
著しく観念的で非現実で軽々しく、
その浅さにびっくりしました。
その漫画の感想を、ブログに書こうとしたら、
読んでくれと頼まれた女性達から、
もし書いたら、その作者のファンからとんでもない攻撃をうけるから
やめて欲しい、制止されました。
その本を読んでくれと言った女性の周辺には、
同じような妄想愛読者がさくさんおり、
それが日本の若者の一角として、
群れを成していることが分かってきました。
更に驚いたことは、
男の性と女の性が入れ替わるというアニメが
大ヒットしたり、
鬼の物語の映画に、幼稚園児から大人までが熱狂するということも
起こりましたね。
それが単に娯楽として有るだけなら、問題はありません。
大変な日々の非日常としてのファンタジーなら、いいのです。
ところが、事はそうは簡単ではありませんでした。
5年前から、ニートの女性をカウンセリングしています。
彼女は高学歴であり、地頭は優秀です。しかし、
ず~っと現実逃避をしきて、社会や他者と係る体験や経験の
圧倒的不足より、
社会観が年齢に比べてはるかに幼稚です(高校生、大学のサークルレベルです。)
また人間観も被害者意識と攻撃性でひねくれており、
彼女に善意で親切にしてくれた人のことすら、
裏がある、と疑うのです。
自己防衛意識や警戒感が先行するために
常に傍観者で、
なんでも妄想で処理する癖が、もう
脳の中で常態化しており、なかなか
現実適応ができません。
反対に
自分の都合の良いように現実を妄想で
加工することがもう
●脳の中でシステム化しているのです。
このままだと、その人はニートのまま、仕事も持たず、
社会から逃避したまま
親が死ぬまでニートを続けるしかない。そして
そのあと、どうなるか・・・。
とにかく私は彼女を引きこもりから連れ出し、
わたしの仕事を手伝ってもらいながら
できるだけたくさんの人と出遭うようにしました。
そして事あるごとに彼女に現実を見せ、話し、
時には衝突しながらも、やっと彼女は
いかに自分が観念的世界でいきていたか、更に
人間のことも、世の中をも、
狭量にしか捉えていなかったかにも、
気づいていきました。
そしてこのままでいる限り、
現実の厳しい仕事の現場では、使い物にならないこと。
一方
社会の中で揉まれ、
何年もかけて仕事を覚え、知識や技術を積みかさねていく、という
ことが、人生では大切だなのだ、ということを
やっと
●実感し始めました。
今彼女は、
やっと一社だけ、正社員として採用さました。
そこで、これまでの自分を修正するために
覚悟を決め、働き始めました。
毎日残業がある
ほゞ、ブラックに近いその会社で
覚悟を決めて働いています。
ここまで来るのには
5年かかりました。
引きこもりと漫画とゲームとアニメにあけくれた十数年の喪失は
今、彼女の重たくのしかかっています。
そして、
彼女は、特例でも、若者の中の例外でもなんでもありません。
今、日本の若者や大人たちでさえ、
ふわっとした非現実的幻想の中にいる人が
沢山います。
今回のウクライナとロシアの戦争で
世界の現実が日本人に突き付けられたと思います。
私は流行している異次元や異世界の漫画やアニメ、ゲームの多くの正体、本質は
日本人の現実逃避傾向だと思っています。
そして脳の世界は甘くありません。
いったんこれら世界にはまりこみ、
その密の世界から日本の若者が抜け出すのは至難の技でしょう。
それを私は今、ほんとうに懸念しています。
つづく。

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