もし生まれ変わったら、私は国学をやりたい。
断っておきますが私は国粋的な右翼じゃないし、
生まれ変わることなどない、と、
分かっているよ。
ただ、年を経るに従い、この国が他国に比べ、
いかに洗練された美しい国であるかが、ヒシヒシと分かるのです。
四季折々の中で生き、
万葉から紡がれてきた
磨き抜かれた人々の感性が、
どんなに情緒深く素敵であるかが、
分かるのです。
その日本人の値打ちが分かるのですよ。
先日「日本人の才能」で、日本人は、古い建造物や仏像を、塗り替えず、
時の流れの中で色褪せてくることを良しとしたと書きましたが、
その感性が、
侘び、寂、そして儚さや風流へと
見事に結実して行きました。
そんな国、ほかにあるッ??!
他の国は、もっと動物的です。
侘び、寂、儚さや風流は、そのまま
哲学でもあります。
私が好きな足利義政は、
あの時代に、政治的には全く無能で、そばで飢え、
死ぬ人々を助けなかった事には、怒りすら覚えるが。
しかし一方でかれは「一視同仁」人間は生まれながらにして全て平等であるという思想を持っていた、
唯一の将軍です。
義政の後にも先にも、こんな思想の将軍はいません。
もしかしたら将軍でありながら、何一つ政治手腕がない自分に絶望し、
誰よりも下に自分を置いていたかもしれません。
そして、
彼が重用した階級的には最も下層の河原者達が、彼を助け、
その才能を以て、日本の美の基礎を築きました。
それは、権威も権力も民衆も、
一切が生と死の流浪のなかにある事を形にした枯山水の庭や、能や、華道、茶道、墨絵など、
他のどこの国にもない、
枯淡の知性の文化の礎となりました。
その後の歴史でも、色々紆余曲折がありましたが、日本人はどこかに、
枯れていくこと、成熟することへの
覚醒と美を持っています。
人間は知性が高くなればなるほど、
謙虚で奥ゆかしくなる。
反対にレベルが低いほど剥き出しになる。
剥き出しの欲望、
剥き出しの感情、
剥き出しの権力、
そんなものを、良しとしない日本人の文化こそを
この先も磨き上げて欲しいと願います。
私の考えでは、日本はこれから経済も政治も、どんどん行き詰まってゆくでしょう。
しかし文化では、ピカイチです。
ただ残念ながらこの文化も、
今の日本や、若者達の間には、
以前にあった品格が、
だんだん崩れています。
だからもう一度楔を打ち込み、
文化の再構築が、
必要です。
それぞれの人生において
美しいとはどういう事かを、
老者は若者に教えて欲しい。
勿論私も折に触れ、
常に自分を律し、自省し、
美しいもの、美しくないものを
明快に、直入に伝えていこうと思います。
その日本の文化にこの国の人々が、
自信と確信を持ち、
文化で世界を牽引していって欲しいです。
日本を伝統アートで盛り返す。
それが、日本が沈没して行かない為のひとつの方策だと、
私は思います。

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