なぜ日本の社会が、こうも劣化するか?
国民が、個々に分断されていくのか。
その原因を、少し前まで私はそ
戦後の大衆社会化にあるのでは、と考えていました。
大衆社会に於ける国民の知性の劣化だと思っていました。
しかしある時ハッと気づいたのです。
これはもしかしたら、資本主義の歪ではないかと。
つまり資本主義社会は、
究極には富の集中と、貧富の格差を推進してしまうシステムだという事に、
です。
更に今のグローバル金融経済は、
限りなく拡大してゆくと同時に、
一部のマネーゲーマーにしか富が渡りません。
世界中で、貧富の格差や不平等が起こり、社会不安を起こしてしまう危険な経済です。
つまり、資本主義と金融経済は、
著しく、デモクラシーを壊すシステムである、という事です。
社会の劣化も、政治の劣化も、経済の行き詰まりも実は、
大衆社会に原因があるのではない、という事に、
私はハッとしたのです。
むしろ、
大衆(民衆)は、ごく真っ当な反応を示しながら、
懸命に自分生活を維持しようとしている。
人々は真面目に選挙に出かけ、
真摯に自分の意思を投票しているのに、
グローバリズムの罠に陥った政治と経済は、
もう身動きが取れない、というのが、本当のところだと思います。
今回ご紹介するドット先生の本も
同じようなことが書いてあります。
先生は、学者ですから、もっと具体的に詳しく書いてありますので,
お読みいただければと思います。
資本主義の終末期において、
先進国で貧困や格差が起き、
それはあのアメリカでも深刻になる中、
保護貿易や自国優先を唱えるトランプ氏が登場し、当選したのです。
トランプ氏の教養のなさや、下品な言動は、私も大嫌いですが、
しかし、
金持ちではない市民や民衆にとっては、唯一投票という政治参加により、
極めて現実的に、デモクラシーの崩壊の危機を守ったのだと、思います。
自由貿易によって衰退空洞化するアメリカの国内産業や、雇用が奪われる現実から、
自分達の生活を守る為に、
例え利己主義に思われようとも、
アメリカの人々が彼を選んだのだと思います。
ただ問題は、アフリカ系の多くの人々がヒラリーの方に入れました。
ヒラリー氏が唱えたのは、経済よりも人権や人種差別をなくす事であり、
社会福祉の理念や理想主義の実現です。
アフリカ系の人々にとっていまだに人種差別は根強く人々の潜在意識にあり、
現実的にも、いまだ消えていません。
だからやはり理想としてヒラリーに投票したのではないか、と思われます。
しかし、
現実としてトランプの政策で恩恵を受けたのは、アフリカ系の低所得者層です。
この辺の現実的な経済の問題点と、
理想的な社会理念の実現の、
どちらを優先するか、
最終的にはどちらも解決されなければならない事ですが。
ヒラリーのそれは、
低所得者層のアメリカ市民にとっては、
持てる者の聞き飽きた綺麗ごとであり、
現実の構造的改革を望む中低層の選挙民には絵に書いた餅でしかなかったようです。
アメリカの課題は、まず傾いている自国の経済の最構築、そして
人々を分断している格差の是正、
さらには
デモクラシーの失地回復です。
これがなぜトランプ政権が生まれたかの、現実だと思います。
その後トランプさんは、コロナで失敗し、バイデン氏が勝ちますが、
ドット先生は、バイデン氏が、トランプ氏の政策をそのまま引継ぎながら、
なおかつ拡大を続けるグローバリズム金融経済を歯止めし、
民主党と共和党を統合したような、
国民政党をつくることだと言っています。
我が日本も、どこかでハンドルを切り替えることが必要だと私は思います。
まずは、国民がしっかりとこの危機の構造に、
に気づくことだと思います。
その上で、
何から手をつけたらいのか、
何をどうしたらいいのか。
問題は山ほどありますが、
もう無能化した政府に任せず、依存せず、
また、マスコミに踊らされず
まずは、国民ひとり一人が、
自分達で考えなければならないと
思います。
そして意思表示をすることだと、
思います。
つづく!


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