人間はひとりぼっちじゃないよ、というのは、子供の文化です。
現代は、
人間はひとりぼっちだよ、と言うのが大人の文化だ、という事が、
分からない大人が、ゴッソリいる。
つまり、成熟した文化、達観した文化が、
この国からは、消えつつある、という事です。
人間は孤独であり、
人間は断然を介してしか繋がれない。
成熟するとは、
いかに自分の孤独を引き受け、
一人で死ぬ覚悟をもつかであります。
その高度に覚醒した文化を、
この国の大人達が失いつつある、という事です。
代わり氾濫しているのが、安易なヒューマン幻想や異常ともいえる同調圧力であり、
同調圧力をかける方も、かけられる方も、
自立しておられず、共依存の中を生きています。
共依存とは、お互いを幻想化して、
寄りかかり、
その精神世界は自立しない幼児性のままだということです。
以前は、詩人も文学者も、芸術家も、さらには宗教家も、
孤独に対する心得があった。
そこには彼らの使命感があり、
人間の現実を誤魔化さず見据え表現する厳しさを、
彼らは請け負っていた。
人間はひとりぼっちである。
この厳粛なる孤高の崖に立って周囲を見渡した時、
初めて自分と同様に懸命に生きる他者への
共感と労りが生まれる。
目には見えない暗がりを自力でさぐりながら生き、
さらに他者との共存を模索するその時こそ、
あゝみんなも頑張ってるなぁ〜、と
愛が生まれ、
人生が逞しく綴られていくのだと、
私は、
思います。

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