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漱石メモ 5 「行人」

夏目漱石の「行人」を読み終える。

手強かったなぁ〜。

読みながらめっちゃ疲れたけど、

すごいなぁ。

あの時代によくここまで人間の本質を書き上げたと思う。

50数年前に読んだ時は、ほとんど理解できなかったが、76歳の今、

苦悩する一郎も、その妻直も、二人の心が手に取るようにわかる。と同時に、読みながら、

私自身の現在の迷いや悩みがパラレルに重なり、

しかし、読み終えて私の出口も分かってきたよ、漱石さん。

この小説の表面は夫婦の葛藤がテーマのように思えるがその実、

自分の脳現象(こころ)に悩まされ続ける人間、おそらく漱石自身を、

主人公一郎とその弟二郎の目で厳しくメスをふるい解析した作品です。

自分自身に容赦しない漱石がいる。

それと共に、

いわゆる男が持つ女性幻想を徹底的に消して、

女性に向き合おうとしている漱石がいます。

漱石の作品はそれが進むにつれ、

女性たちがイキイキしていきます。

その女性達は西洋的な女性像ではなく、

まさに日本の女たちです。

漱石の作品を女の視点から見ると、

新たな漱石が見えてきます。

こうなると、その次の作品「こころ」も読まなくてはね。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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