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田下憲雄メッセージ集「会社は社員を犠牲にしない」その序章4、リベラリズムとグローバリズムの神話が破綻いき、中国が台頭した。

日本経済を停滞させている原因である・リベラリズムと・グローバリゼーションがなぜダメなのかを、

中国の台頭を例に書いてみます。

まず私達の頭の中には、

まるで当然のように民主主義は良いものである、という思い込みがあります。

反対に独裁主義や共産主義、権威主義体制は、良くないという思い込みもあります。

それを正義である、と思い込んでいる人もたくさんいます。

そして私達の頭の中には、

民主主義こそ理想的であり、共産主義はソ連の崩壊も含め敗北したイズムであり、

最終的には中国も北朝鮮も、また後進国の独裁政権も,

いずれ民主化になれば、世界が平和になる、という、

思い込みがあります。

そして地球はひとつ、という風な,根拠がなく訳もわからないことに、納得してしまう、

不思議な思い込み????グローバリゼーションが、あります。

その思い込み,すなわちリベラリズムとグローバリゼーションを

大きな世界戦略としてしまったことで、

アメリカも、日本も大失敗をして、経済が失速してしまいました。

そのリベラリズムを旗に掲げアメリカは世界の警察を自認し、

またリベラリズムの元に世界の壁を低くして自由貿易を進めることが、

結果的には世界の平和につながる,という、大きな勘違いをしてきてしまったのです。

反対に中国は,鄧小平による「改革解放」の下の、一部自由化から始まり、

世界の工場として国を開き、

安価な労働力を提供し、

時間という戦略をかけて、

世界の覇権を目指して、着実に台頭していきました。

狡猾ですねー。

アメリカはリベラリズムの下にW TO(世界貿易機構)を立ち上げ、

そこに中国を入れてしまいました。

「入れてしまいました」という表現は、

中国の狡猾さに気が付かないアメリカのお人好しさを、指してそう書きました。

まー中国をどこか甘く見ていたのでしょう、

ウッカリ中国をW T Oに引き入れてしまったという意味です。

中国は下手にでて安価な労働力を持って世界の工事になる一方で、

先進諸国の生産ノウハウも手に入れ、そして、

アメリカや自由主義諸国を上手に利用しましたねー。

逆にアメリカは、W T Oで安価な中国の製品がアメリカに流れ込み,

アメリカの労働の雇用が失われていく結果になりました。

それは日本も同様なのですよ。

しかし、困ったことに、

低所得層の突き上げて,まさかのトランプさんの出現で。

リベラリズムと、

グローバリゼーションの自由貿易の失敗に気づいたアメリカは、 

サッと TP Pから降りたのに、

日本政府はそれに気づいたのか,気づいていないのか.

そして中国は T P P加盟を申請しています。

また、中国が中心のRCEPにも加盟してしまいました。   

日本政府は本当に国内産業を守るつもりがあるのか。

中国は、いつの間にか世界第二の大国になり、遂にはアメリカを脅かす経済大国となりました。

また,中国はアメリカや民主主義国が取りこぼした後進性の中小の国々を支援し、

上手に拾いあげ、自分の包囲網の中に入れていきました。

アメリカはベトナムの民主化も失敗し、イラクの民主化にも失敗し、失敗しただけではなく中東にも指を突っ込んでしまいました。

そして恐ろしいのは、

中国がその覇権支配をしようとしているのは、東アジア一帯であり、

明らかにアメリカの覇権が及ぶところには手をださず、 

棲み分けの覇権分担の線引きをしています。

いったい日本はどうなるのか、ちょっとゾッとします。

どうしたらいいのか。

    ◯

もうお分かりですね。

アメリカも、私達日本人も、本当に脇が甘いです。

ましてやその一方で、

グローバリゼーションの為に失業したり生活できなくなった人々がいることも確かです。

アメリカではそれが爆発しましたし、

日本経済の停滞と衰退の原因にもなっているのです。

世界の国々は千差万別であり、

統治の形態もさまざまです。

それはそれでいいのです。

そこには、それぞれの国が辿ってきた地政学的な事情や経済,

文化の事情があるからです。

その多重で多層で複雑な事情の世界は、

とてもリベラリズムで一括りできるようなものではないのです。

これがリベラリズムとグローバリズム自由貿易の失敗です。

次回はこの新自由主義と財政について書きます

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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