その人は私たち夫婦にとって、とても大切な友人でした。
最後にお会いしたのは2019年の12月9日、映画最後の仕上げとして、
英語版の監修をお願いし、その打ち合わせで夕食をご一緒しました。
その時、その人は二度目の癌の手術を終え、
私たちは再会を喜びました。
お聞きしたのは、ピンポイントで癌を根治するという
日本でも最高峰の癌治療を受けられたとのことで、
とてもお元気に料理を食され、
映画の監修をお願いしたことに、
喜んでお引き受けします、とおっしゃられたことが
今も耳に残り、胸がつまります。
そしてその一か月後に秘書の方から、
癌が再発し、病室に資料を持っていっているが、
おそらく無理であろうという連絡をいただきました。
びっくりしました。
もう、飛んでもありません、どうぞ治療に専念されるようにと
祈り、お願いしました。
そして4月、
風のように飛んで逝かれました。
コロナが蔓延しはじめた中、いまだにお別れのことすら出来ず、
その人を失ったことに、心はいまだに開きっぱなしで空白で、
ピリオドが打てません。
ただ、こうして時間がたってみると、
なんて素敵なひとだったのか、ということと、
それでも神様が彼を連れて行ってしまったのかについて、
命には時があるのではないかな~ということです。
どうお伝えしたらいいのか、旨く言葉がみつかりませんが、
人間の力、科学や医学を超えてある、自然の凄みというか、
命には、自然の始まりと終わりがある、という、
そういう大きな流れを感じるのです。
その上で私は、今回もし癌であっても、自然の流れに任せようと
考えたのです。
つづく!

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