◆ 立花隆氏、養老孟司氏、そして良寛!その4(最終回)

先般私はパソコンが故障したのを機に

京都へと旅行しました。

それは私の頭の中を駆け巡る<意識>のスイッチを切るためです。

スイッチを切り、それまでの脳の中で連鎖を遮断し、

あれこれと暴走する意識を断ち切り、

頭の中を白紙にもどしたのです。

京都では、美しいもの、面白いもの、

非日常の知的な刺激をくれるものを感覚入力し、やっと

私の体と脳との自然なコネクトへと再設定できました。

京都から帰ってきて、

なんとか私自身の頭の中を整理せねばと思い、

立花氏、養老氏の本を読み始めました。

お二人の本を読みつつも

もう一つ大切なことがあるように思い、

二つの本を読む合間に

中野孝次先生の本「風の良寛」を三度目のひも解きました。

そして、あゝ私は、こういう世界にまた戻りたいと思い、

続けて、さらに山頭火の句集も読み始めました。

 ・・・・・・・

これは良寛の漢詩です。

春気稍和調   春季やや和調

鳴錫出東城   錫をならして東城に出ず

青々園中柳   青々たり園中の柳

泛々池上淬   はんはんたり、池上のうき草

鉢香千家飯   鉢は香る千家の飯

心抛万乗栄   心はなげうつ 万乗の栄

追慕古仏跡   古仏の跡を追慕して

次第乞食行   次第に食(じき)を乞うて行く

いいな~。

こんな世界がいいなあ~と、

私は思うのです。

ようやく春になって

良寛は山から下りて

村へと行乞にいきます。

もうそこには柳が芽吹き、池には水草が浮かんでいる。

しゃんしゃんと錫杖を鳴らして

村を行乞していくと

家々からもらった米が鉢の中でいい香りをしている。

そこで良寛は、心をいっぱい解放して!

もう何もいらない!

と言います。

立花さんや養老さんの本を読みながらも、

こういう良寛の世界に触れるとホッとします。

立花氏の科学を実証し、

さらにそれを産業化し経済としていく世界。

その対極に、

自然の中で生きようとする養老先生の脳世界。

その二つを凌駕しながらも、もう一つの人生学哲学世界として、

私は良寛の世界を思います。

現実は養老氏のいうように、

様々に煮詰まって、なかなか先が見えません。

そして立花氏の言う如く、日本の先端科学はすばらしいです!

はてと、

どうしたもんじゃろ~かと・・・と

私は思うのですが。

山頭火の俳句です。

 なんぼう考えへても同じことの落ち葉ふみあるく

 それもよかろう草が咲いている

 何をもとめる風の中

 其中一人いつも一人の草萌ゆる

 ころり寝ころべば青草

 蕗のとう ことしもここに蕗のとう

         種田山頭火

あゝ大切なのはこののどかさで、

それが失われないように

祈るばかりです。

これでこのシリーズは

終わりです。

くちなしの花が咲き始めました。
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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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