これから脳の世界が解明されればされるほど、
今までいかに人間が、
その思いこみで、
争い、果てには戦争まで起こしてきたかがわかるだろう。
脳の観点から見れば、
単なる個人の世界も、
民族も国家もそれは、
種々に固有のかけがえのない世界であり、
現象であり、故に
他者や、他民族、他国への介入、侵略は、やってはいけないのである。
言い換えれば、その侵されない多様性こそが、
人間が作り得る、豊かさなのである。
人間が人間たる証なのである。
人間が単なる動物であれば動物の中で弱い存在であった人間は、
もうとっくに、互いを潰し合い、喰いあい、滅亡へと進んだであろう。
しかし、人間は、前頭葉の世界を獲得した。
それはまさに、
共生と共存を生み出す知性と文化の
人間の人間たる勝利の世界です。
それは対立するものを、
高次に統合しうる弁証法の世界であり、
過去、現在、未来を即時に編集する
高い知能の脳世界であり、
故に人間は、文明を創造しえた。
脳は、まさにその創造性を作り出す機能であり器官でもある。
これからは良くも悪くも、脳の時代に入ってきた。
この脳の持つ本領を、
いかに発揮させるかの時代に入る。
それと同時に、いままでの、
間違った文明や文化の修正、
さらには、
破壊してしまった自然と自然界の回復、
そして、すべての民族も国もが
共生していく為の知恵の創出と、
新しい生産性や経済の形態の模索と開発が、
人間の課題になる。
人間は考える葦であり、考える人であり、
前頭葉は考える脳である。
動物的本能の世界(大脳旧皮質)を克服し、
感情というエンジンとパワーをいかに賢く使いこなし、
最終的には、大脳旧皮質の本能的世界と、
前頭葉の知性と理念の世界との
総合力を賢く駆使することを目指して貰いたい。
そこに
平和で多様な創造性と生産性の世界を創り出し、
生き延びていって欲しい。
加えてユーモアあり、
諧謔あり、
そして喜びも悲しみもが、
夜空の星のように煌めく、
愉快な人間の世界を作り上げて欲しい。
しかし,ことは簡単には運ばない。
まだまだ、道は遠いよ!
でも、目指すは、
人間の穏やかで幸福なる世界に
なることを、
私は切に願う。
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