400余ページもある内容を説明するのはなかなか難しいです。
かなり大雑把にしか書けません。
だから私自身が重要だと思ったことに絞って、少しずつ書いていきますので、
なぜアメリカと西洋が敗北していったかの大きな原因は、アメリカも西洋諸国も、
ある時期から、
富と儲けることに執心し、世界を搾取し続けた結果、
彼らの精神の拠り所であった伝統文化と彼らのアイデンティティが、
崩壊してしまったのです。
これは他人ごとではありません。
日本もいつの間にか拝金,経済優先の中、どんどんモラルが後退し、
伝統的な文化や規範や、アイデンティティが崩壊し始めています。
トッド氏はその原因の一つに、アメリカ,西洋社会の
ピューリタニズムの衰退を指摘しておられます。
思い出していただきたいのが、そもそもアメリカは、ピューリタンの国であった,ということです。
例えば「大草原の小さな家」の家族も、また「トム・ソーヤの冒険」でも、敬虔な両親や叔母さんが必ずいますね。
アメリカ建国の底には彼らのアイデンティティとしてのピューリタニズムが基礎としてあった筈なんです。
最も厳密にいうと、キリスト教ピューリタンとしての、倫理、規範、そして振る舞いの文化が、
行き過ぎた欲望や奢りや、社会の規範から外れた行為にたいする戒めとしての
エッジとして、
あった筈なのです。
それが経済優先の社会の中で衰退してしまった、とドット氏は書いています。
その慎ましく謙虚なピューリタニズムは、
ソ連崩壊後、
アメリカがソ連
共産圏に勝利したと勘違いし、
世界を自由主義で制覇する野望の奢りの中で消滅していった。
西洋社会の中で,キリスト教はずっと人々の
精神的土台としてまた、物事を判断する基軸として、
彼らのアイデンティティの一角を支えてきましたが,
近代及び現在社会になるとその
モラルハザードが起きてきて、次第にピューリタニズムも、カトリシズもが衰退していったこと。
逆に経済を優先した繁栄による、
欲望と享楽文化を優先する現象が幅を利かすようになった。
そしてアメリカは、経済のエンジンになるエネルギー問題をも制覇する為に、
アラブ、イスラム諸国にも介入をしてゆき、そこにイギリス,フランスドイツ他の西洋諸国も追随していった,ということです。
そしていつの間にか彼らの精神基盤は、敬虔なアメリカではなく、
世界に冠するアメリカへと、それに追随する西洋諸国へと、
変貌していったのです。
これが、敗北への道の第一点です。
そして世界に冠するアメリカが、いつの間にか、
アメリカ
グローバリズムが、
世界の正義となり、
他の国の文化や価値観やそれぞれの国が持つ多様性を、
否定的に扱うグローバル化が
第二点です。
アメリカも戦後すぐの戦勝国としては多様性を認めといましたが、1960年頃からだんだん変貌していきました。
そして恐ろしいことに、
今の日本も、そういう傾向になりつつあります。
単一的で安易な正義,正論が蔓延りつつある。
アメリカはその正義を,振り回して他国に介入しては、失敗していった。
アフガンも、イラクも、そして、ウクライナも。
ロシアのウクライナ侵略の引き金を引いたのは,ロシアではなく、アメリカです。
正確にはアメリカとN A T Oです。
そして、第三の点は、
アメリカ国内の産業、主に物づくりの工業の空洞化と、農業の衰退です。
それについては次回に書きます。


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