2023年7月– date –
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漱石メモ、最終回「吾輩は猫である」より「相互を残りなく解するということが愛の第一義である…」
良寛も晩年は引きこもった国上山からふもとの村へ降りていきました。 歳をとり足も弱くなったせいもあるのですが、 私はある種人間を忌避していたが、 やっと民衆に同化する自分を見つけたのだと私は思います。 漱石も中途半端な知識の知識人では無く、... -
漱石メモ11 「則天去私」漱石も悩み続けた!
つい最近の事です。 私は漱石が「則天去私」と言う境地に辿りつき、 てっきり何らかを悟ったのだと思いこんでいました。 ところが故江藤淳氏の評論を読むとそうでもないらしいのです。 確かに漱石は「則天去私」に辿りついたがしかし、 現実的には悟れず、... -
漱石メモ10、漱石の女性観、その1、女性を幻想化しなかった唯一の作家漱石!
それではいよいよ漱石の女性観を その作品から手繰っていきます。 ◯ 明治になり西洋から近代小説が入ってきた時、かの坪内逍遥先生が言いました。 これからは心理学ですぞ! 小説書くなら心理学を勉強しなはれ!と、 関西弁で言ったかどうかはわ... -
漱石メモ 9「道草」
夏目漱石作「道草」を読み終えた。 やっぱり、やっぱりそうかと思う。 「道草」の前に漱石が書き終えたのが随筆「硝子戸の中」です。 私はこの随筆を読んだ時、なんとなく、 漱石は解(答え)を見つけたな、と思いました。 「それから」「門」「行人」「ここ... -
漱石メモ8「こころ」パートII
高校生の時、夏休み課題図書として漱石の「こころ」をよみました。 60年近く昔です。 若き青春の頃ですから勿論、感情的に、且つ感傷的に読んだと思います。 当時の私の感想は、 先生は策を弄して親友を出し抜き、その結果親友Kが自殺したという事への、 ... -
漱石メモ 4「門」
※ 漱石メモの4「門」の掲載を忘れましたので、順序が狂いますがここにのっけます・・・苦笑! 夏目漱石作「門」を読み終える。 50数年ぶりの再読である。 やっぱりいいねー、文章に品格がある。 安っぽい表現や言葉はひとつも見当たらない。 親友の彼... -
漱石メモ、7 夏目漱石の「こころ」
夏目漱石の「こころ」読み終わりました。 すごい作品ですねー。 一行一行書き上げるのに心身ともに、大変なエネルギーを使ったと思います。 最終章を読みながら私は胸が詰まって苦しくなり、 一時中断して朝風呂にはいりました。 それから熱いココアを飲ん... -
漱石メモ 6
漱石の小説は、とりあえず自分の感情を凍結し、 理知の目で読まないと、読み違える。 というか、理解できなくなる。 漱石の小説を、男女の恋愛や夫婦の葛藤や男の友情物語として読んでしまうと、間違える。 それらの男女はあくまでも小説の駒に過ぎず、 漱... -
漱石メモ 5 「行人」
夏目漱石の「行人」を読み終える。 手強かったなぁ〜。 読みながらめっちゃ疲れたけど、 すごいなぁ。 あの時代によくここまで人間の本質を書き上げたと思う。 50数年前に読んだ時は、ほとんど理解できなかったが、76歳の今、 苦悩する一郎も、その妻直も...
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