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◆<田下啓子痛快エッセイ>あゝもう二度と生まれてきたくはないな~!その7,良寛の宇宙!

冬と言えば良寛。

津々と降る雪に閉ざされた越後の国上山の小さな五合庵で

良寛は考える。

私も考える。

何にもいらない、何にもいらない。

ただ命があるのみ、ただ命が今続いているのみ。

良寛に教えられ、親鸞に愛され、空海のダイナミズムに驚き、

そして道元の一切が究めらる美しさも知った。

良寛の書は美しい。

まるで水の流れの様であり、いわゆる習字の止めが無いように見える。

つまり字の中に塊がないのである。

筆は初めから終わりへと、ひたすらに流れていく。

冬の長い夜を良寛は歌う。

 冬夜長し 冬夜長し    冬の夜は長いな~。

 冬夜悠々 何時か明けむ  冬の夜はいつ明けるのだろう

 燈に焔無く 炉に炭無し  灯は消えてしまったし、囲炉裏の炭もなくなった。

 只聞く 枕上夜雨の声   聞こえるのは枕元の雨の音ばかりよ。

               (参考・良寛・詩歌と書の世界・谷川敏朗著)

そして良寛の中に宇宙がある。

藍色の川の先には天、すなわち宇宙がある。

     看花至田面庵  訳 田面庵に花を看る。

桃花霞挟岸発     桃の花が岸を挟んで霞のように咲いている。

春江若藍接天流    春の川が藍色の帯のように天(宇宙)に向かうように流れている。

行看桃花随流去    浮かんでは流れて、桃の花が去ってゆく

故人家在東頭     亡くなったあの人の家はあの流れの先のほうにあったなあ。

            (参考・良寛・詩歌と書の世界・谷川敏朗著)

あゝもう少し、

春が見えてくるまで、

頑張ろう!

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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