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<田下啓子痛快エッセイ>あゝもう二度と生まれてきたくはないな~!その4,あなたと私はちがうんです。

頭がヌルイ人は自分と他人との境界線があいまいである…自他の分離ができていない。

こういう人は自分と他者との違いをわきまえず、平気で境界線を越えてくる。

頭が鋭い人は、自分と何人の境界線をしっかり心得ており…自他の分離がしっかりできている。

そこを越境しない、という礼儀を知っている。

その礼儀をわきまえている人は、決して他人のドメインの中にズカズカと、

或いはうかうかと、入ってこない。

困った事に現代は、この自他の分離ができていない人がほとんどです。

人間は、自分以外には関心はなく、

ましてや他人のことなどどうでもいいのである。

しかるに、自他の分離が出来ていない人は、

自分と他人とをごっちゃにして、

自分のことがまるで他人にも当てはまるような感覚にいるから、

これがめんどくさいし、トラブルの基になる。

正月の年賀状に、やたら子供の写真や、ファミリーの写真を載せてくる人がいる。

そんな年賀状を送ってくる人を見ると、

この人は脇が甘いな~、客観性がないんだ、と思う。

となると、仕事もどこか甘いはずだよ・・・。

仕事こそ、客との理性な距離感が大事だからね。

それが取れないと、旨く事が運ばないからね。

私は、武士の孫娘として母親から、かなり厳しいしつけを受けたから、

そこらへんの弁えを厳しく持っている…苦笑!

第91代の総理であった福田 康夫さんが、記者に対して、

「あなたと私はちがうんです。」と叱責した言葉は、本当にその通りである。

彼の名言は、オリンピック選手に「せいぜい頑張ってください」と言ったことで

これは世間から叩かれたが、私などはオリンピックなんかは

せいぜいその程度のことだと思っていたらから、思わず苦笑した。

福田康夫さんは頭が良い人であったと私は記憶している。

大衆に忖度しない、大衆に迎合しない、大衆に熱狂しない。

政治家の本領とは、そういう風にいつも醒めて、しかし大局を見渡し、

事の本質を掴み、小局で緻密に政治を実行してゆく頭脳が

在ることだと思う。

そういう政治家はもう、誰もいなくなった。

何事も『あなたと私は違うのです。』が、正解です。

それは夫婦、親子、友人でも、同じです。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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