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◆「空飛ぶ宮沢賢治」その3間違っちゃたね~、賢治さん

。人間の知識は二種類ある。
一つは「生活知」で、もう一つは「世界知」です。

「生活知」は個人の生活のための知識で、
自分の周囲の情報や生きてゆくための手段や、
自分という個人と密接な知識です。

「世界知」は世界全体のことを対象にしたに知識で、
科学や哲学や思想は勿論、

宇宙物理学や歴史や社会学やその他,広範な
世界についての知識です。

※この「世界知」「生活知」は脳学者の茂木健一郎さんの言葉です
「脳整理法」ちくま新書。

いうなれば、いうなればです、

宮沢賢治さんは、「世界知」には長けていたが、反対に
「生活知」においては、まったくいけませんでした。

ところが賢治さんは、
自分が「生活知」弱者である自覚がありませんでした。

これはインテリにありがちな傲りです。

賢治さんは、トルストイに傾倒したのか、
農民の過酷で悲惨な現実を救おうとしましたが、

それはあくまでも一方的な賢治さんの感傷でもあり、

ものごとは、どんなことも、どんな現象も、

いいこと半分、悪いこと半分だということが

理解できていませんでした。

つまり賢治さんからみれば、
農民は確かに過酷で悲惨かもしれませんが、

もしかしたら農民の中には賢治さんが到底及ばない、

逞しさや、狡猾さやそして、地を這いながら獲得した、

凄い生命力や「生活知」を持っていたかもしれないのです。

むしろ賢治さんのほうが、

インテリ軟弱の根性ナシかもしれないのに、

自分を、救う側(メシア)という位置に設定してしまいました。

間違っちゃたね~、賢治さん。

それでも賢治さんはすごかった、そして

さすが賢治さんです。

最後にそのことが分かりましたよ!

素晴らしいね。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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