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「空飛ぶ宮沢賢治」6,賢治のすごさは「雨ニモマケズ」もすごいけど、こっちのほうがもっとすごい!

宮澤賢治のすごさはね~、「雨ニモマケズ」もすごいけど、
でも本当のすごさは
彼が残したあの「雨ニモマケズ」が書いてある手帳の

◎一番初めに書いてあった、法華経の言葉です。

それも、それもよ、もう死ぬか生きるかの瀬戸際の

それこそ、力尽きたその体をふりしぼってペンをに握って賢治が書いた

法華経の文字四行が、凄いのです。

まずは、その字体!

ぶるぶる震えながらも頑張ったその字体に、感動しました。

そしてその四行の意味にも、私はもう心が震えたよ!!

そこには、何もかもが失敗し、身体もボロボロになり、もしかしたら

自殺願望も浮かんだかもしれない自分を

叱咤して、なんとか生きようとする賢治がいます。

では何が書いたあったか。

「当知是処 即是道場 諸仏於此 得三菩提」

意味は

「自分が置かれた此の世こそ、修行の場であるから、

この現実から逃げ出してはいけない」です。

凄くありませんか!!

本当は自分が理解されないこの世の中(現世)に

ほとほと嫌気がさしたであろうのに、

こういう風にして、この世は修行の場なのだからと、

自分を叱咤し、生きようとした賢治。

「雨ニモマケズ」も素晴らしいいですが、

私はこの四行こそ、賢治の命であったと思います。

しかし残念ながら賢治の周辺の人間も、研究者たちも、

「雨ニモマケズ」のほうばかりに目が行ってしまい

誰ひとりとしてこの四行について注目しませんでした。

この事はよほど人間の懊悩の深さを理解できる人間でないと

ピンとこないのでしょう。

それで私は拙著「拝啓宮沢賢治さま」で書きました。

なぜ賢治が法華経を肌身離さずいたか。

賢治は法華経の中に何をみていたのか。

そして「銀河鉄道の夜」でカンパネルラも消え、

独りぼっちになったジョバンニが、なぜこの世へもどってきたか、

みんなこの四行に答えがあると思いますよ。

素晴らしい、よく頑張りましたね賢治さん!!

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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