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アフガニスタンの光!

アフガニスタンがタリバンによって制圧された。

そしてタリバンは『すべての国民に恩赦を与え、報復はしない。

家に戻って国のために協力してほしい。

女性の権利については、イスラム法が許す限り

仕事や教育で区別されることはない、20年前の我々とは全く違う』とと言っている。

このアナウンスで気になったのは

「家に戻って国のために協力してほしい」「20年前の我々とは全く違う」という言葉で、

そこにほんの一筋のホッとするものを感じるが、甘いかもしれません。

「家に戻って国のために協力してほしい」という言葉の中にはいくら政権をとっても、

国民の力がない限りどうにもならないことを承知しているのか、

「20年前の我々とは違う」という言葉に、もしかしたら彼らの中に何か進歩や進化があったのかもしれないが。

しかしいずれも、その努力が実をむすぶまで、予断を許さない。

きっと厳しい紆余曲折の中を行くだろう。

大江健三郎氏との対談の中で立花隆さんが

ベルリンの壁が打ち破られたことやソ連連邦が崩壊したことについて、それを過冷却現象に例えている。

過冷却現象というのは、水の温度が零度になっても凍らないが、

そこになにかのほんのちょっとの刺戟が起きたとたんに一挙にバリバリと氷が張る、という現象で、

内部でたまったエネルギーの一斉の放出現象がおきるらしいのです。

つまり、ベルリンもソビエト連邦も、その内部で抑圧されていた民衆のエネルギーが

一挙に大変革をもたらした、という事です。

タリバンのアフガニスタンでは、民衆の自由や平安は保証されるのであろうか。

さらに思うのは、北朝鮮の民衆の中で、過冷却現象がおきるのだろうか。

香港の民衆はどうなのだろうか。そして

中国のチベットやウイグルの地でも、いつか過冷却現象による大きな変革がおきるのだろうか。

いずれも事が成熟していくまでには、延々と時間が掛る。

ただ、心しておきたいのは、それを我々西側人間の価値観で願うのではなく、

●各々の地で、●各々の民族とその文化のその多様性の中での進歩や進化があることだ。

できればその民衆の、その内部のエネルギーが外へ噴き出て、

自分達の手で自由と平安を手にしてもらいたいと私は祈る。

それが私が生きているうちに、起きるか、起きないか。

ただ、大きな歴史の流れの中、人間のエネルギーも社会のエネルギーも

絶えず動き変化していることは、間違いない。

その中に、微かな光と希望を見る。

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この記事を書いた人

作家。映画プロデューサー
書籍
「原色の女: もうひとつの『智恵子抄』」
「拝啓 宮澤賢治さま: 不安の中のあなたへ」
映画
「どこかに美しい村はないか~幻想の村遠野・児玉房子ガラス絵の世界より~」

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